部活動の地域移行へ“指導者バンク”新設 モデル校から「ワークライフバランス充実」「専門的指導で技術向上」の声 鹿児島・薩摩川内

 2022/06/17 17:00
 全国の公立中学校で休日の運動部活動の指導を、2023年度から段階的に地域のスポーツクラブや民間へ委ねる「地域移行」について、鹿児島県薩摩川内市は16日、市独自の「外部指導者バンク」を新設する考えを明らかにした。指導希望者を一元リスト化することで地域へのスムーズな移行を促し、指導者確保を支援する狙いがある。市議会一般質問への回答。

 市教育委員会によると、市スポーツ協会や競技団体と連携して指導を希望する人材リストを作成。各校の要請に基づき派遣する意向だ。入来、樋脇両中学校が21年度から国の地域部活動モデル事業に着手。地域の会社員や元教員らが報酬(時間給1600円)を得て、顧問に代わり土、日曜の指導を担っている。人材探しは各校に任せており、人選が難航するケースもあった。

 派遣開始時期や報酬額などは今後、市教委を中心に協議する。生徒への暴力根絶や熱中症対策など指導に必要な研修に加え、「兼職兼業」の許可を得た上で休日指導を希望する教員の調査も検討するという。

 藤田芳昭教育長は「モデル校の教員や保護者、生徒から『ワークライフバランスが向上した』『専門的な指導を受けて技術向上を実感した』との声が上がっている」と地域移行のメリットを強調。その上で「保護者の費用負担増などへの不安も聞く。国や県の動向を見ながら市独自の部活動改革を研究していきたい」と話した。

 同市では中学教員の71.2%にあたる178人が運動部顧問を担当している。

 スポーツ庁の有識者会議は6日、少子化による部員減少や教員の長時間労働解消などを理由に、休日の地域部活動への移行を25年度までに完了すべきだと提言している。