3万5000年前、国内最古の「落とし穴」 旧石器時代、種子島の立切遺跡が国史跡に 同年代の横峯遺跡も 文化審答申

 2022/06/18 10:29
立切遺跡で見つかった落とし穴。開口部がラッパ状に開いている(県埋蔵文化財センター提供)
立切遺跡で見つかった落とし穴。開口部がラッパ状に開いている(県埋蔵文化財センター提供)
 国の文化審議会(佐藤信会長)は17日、後期旧石器時代前半期に狩猟に使われたとされる国内最古の落とし穴が確認された立切遺跡(鹿児島県中種子町)と、同年代の横峯遺跡(南種子町)を新たに国指定の史跡にするよう文部科学大臣に答申した。県内の国史跡は32件となる。

 両遺跡は、いずれも標高120メートルの台地上にあり、約3万5000年前の「種Ⅳ(たねよん)火山灰層」の下から発見された。年代や特徴が共通しており「立切遺跡・横峯遺跡」として合わせて指定する。

 立切遺跡は1995年に見つかり、落とし穴遺構24基、調理場とみられる礫(れき)群5基などが確認された。落とし穴は国内最古級とされ、開口部がラッパ状になっている。すり石や局部磨製石斧(せきふ)などの石器も出土している。横峯遺跡は92年に発見され、礫群9基などを発掘。台石やすり石、剥片(はくへん)石器が見つかった。

 両遺跡の石器は植物を食料へ加工したり、伐採に使ったりした道具とみられ、日本列島南部にいた旧石器時代の人類が照葉樹林の環境に適応しながら暮らしたことを示す。現在、遺跡は埋め戻されており、出土品はそれぞれの町が保管している。

 横峯遺跡の発掘に関わった上野原縄文の森(霧島市)の堂込秀人園長(64)は「二つの遺跡には具体的な生活痕跡があり、狩猟主体と考えられていた、日本の旧石器時代観の見直しにもつながった」と指摘した。

 また答申では、天然記念物の種子島阿嶽川のマングローブ林(中種子町)に、西之表市の国上湊川の群落を追加した。集落近くに群生しているほか、アジア地域での自然分布の北限として貴重だと評価された。県内の天然記念物は49件で変わらない。

 近く答申通り告示され、国指定の史跡は1881件、天然記念物は1038件となる。