燃料費高騰、魚価低迷…悪循環の漁業者嘆き「国会議員は現場で生の声聞いて」 コロナで売り上げ8割減の居酒屋店主は「経済政策を」 参院選、景気対策争点に

 2022/06/18 21:40
当日の客足を気にしながら開店の準備をする内匠賢吾さん=17日、鹿児島市東千石町
当日の客足を気にしながら開店の準備をする内匠賢吾さん=17日、鹿児島市東千石町
 22日公示の参院選は新型コロナウイルスで落ち込んだ景気回復に加え、ロシアのウクライナ侵攻と円安に伴う物価高対策などが争点になる。鹿児島県内の有権者もコロナと値上がりのダブルパンチに頭を悩ませ、「現場に目を向け、切れ目のない支援を」と訴える。

 「この2年余りで生活が一変した」。鹿児島市東千石町で居酒屋「次の朝」を経営する内匠賢吾さん(45)は振り返る。コロナ禍の2020年3月以降、客足は途絶え、売り上げは以前より8割も減った。

 休業要請に応じた期間は協力金で一息つけたが、期間が明けると不安は尽きなかった。店の売り上げだけでは家族4人の生活は苦しい。昼のアルバイトで窮状をしのいだ。

 ウィズコロナの意識からか、春先から客足は戻り始めている。だが今は飲料や食材価格の高騰が心配の種。値上げが続けばメニュー価格を見直さなければならない。回復の兆しが見えてきただけに「飲食店の気持ちをそぐことのないような経済政策を」と求める。

 同市の20代男性は昨年、県外の専門学校を卒業して就職予定だったが、突然の病気で内定を辞退した。Uターンし、今春からハローワーク鹿児島に通って職探しを始めている。職歴がないことや持病がネックになり、なかなか結果に結びつかない。

 新型コロナの影響で売り上げが減少したり、廃業に追い込まれたりする人をニュースで毎日見聞きする。自身も生活費を家族に工面してもらっており、「就職できるだろうか」と不安や焦りが募る。

 国には「働きたくても働けない人たちの生活や就職を支援する制度をつくってほしい」と望む。ただ「政治家が自分たちのことを本気で考えているようには見えない。期待できない」とぼやいた。

 大和村名音の漁業者勝山仁太(じんだい)さん(29)は自ら漁に出るほか、鮮魚店や遊漁船を営む。コロナ禍で飲食店には休業・時短営業の協力金が支払われる一方、食材を提供する漁師や農家への手当がない点に納得がいかない。「原油価格の高騰が続き船の燃料費がかさむ中、魚を捕っても需要がないから魚価が下がる」と悪循環を嘆く。

 昨夏の小笠原諸島の海底火山噴火で生じたとみられる軽石で、船のエンジンや塗装にダメージを受けた。だが国会議員は離島をはじめ、人口が少ない地域の窮状が目に入っていないと感じる。「現場に足を運び、生の声を直接聞いてほしい」と注文した。