鹿児島中央駅前の商業ビル 全面開業1年 コロナ下で苦戦「ここまでとは」「認知度向上が必要」 周辺の開発に期待も

 2022/06/19 12:33
全面開業1年を迎えたLi-Ka1920。右は工事が進む歩行者用デッキ=鹿児島市中央町
全面開業1年を迎えたLi-Ka1920。右は工事が進む歩行者用デッキ=鹿児島市中央町
 鹿児島市中央町の19・20番街区再開発ビルの商業施設「Li-Ka(ライカ)1920」は18日、全面開業から1年を迎えた。新型コロナウイルス禍での船出となり、運営する南国プロパティマネジメントは「コロナの影響を考慮して、目標を2割下方修正したことで達成できた」と逆風になったことを認める。一方で感染状況がやや落ちついてくる中、今後は周囲の新たな開発の動きも追い風に巻き返しを期している。

 ライカが入るのは、高さ約100メートルと県内一のビル「鹿児島中央タワー」の1~7階。JR鹿児島中央駅前で、テナントは飲食のほか、ファッション・雑貨屋や家電、書籍など計42店。当初目標は売上高50億円、来館者数350万人を掲げていたが、1年目の実績は公表していない。

 テナントはコロナの影響を実感している。飲食もできる高級食パン専門店「偉大なる発明」の岡山夕起取締役は「覚悟はしていたがここまでとは」と振り返る。感染者が特に多かった時期は来店客が通常より3割減った。客を呼び込むため、コース料理など新たな取り組みも始めている。

 1階フードテラスの居酒屋「炭火で鶏と鰻。せんゆう」も、まん延防止等重点措置による営業時間短縮の影響が大きかったという。永田晃基店長は「立地は良いのにライカを知らない人もいる。認知度を上げることが必要」と訴える。

 周辺の反応はさまざまだ。ライカ1階を貫いて伸びる一番街の居酒屋によると、オープン直後は人通りが増えたが、長くは続かなかったいう。担当者は「ライカよりもコロナの影響のほうが大きかった」。一方、近くのベル通りの洋風居酒屋「AKIYOSHI」にはライカを訪れた後に立ち寄る客もいて、知識晃店長は「街が少しにぎやかになった」と印象を語った。

 高架歩道でつながるアミュプラザ鹿児島では、人の流れの相乗効果があったという。「県内外から多くの人が集まる場所。協力して楽しいことを発信できたら」と販売促進課の本田ちひろ担当課長。開業1年を祝い、両施設は共同のイベントなども開催している。

 周囲では新たな動きもある。7月には近くのビル地下に屋台村が開業。9月にも、目の前の電車通りをまたぐ歩行者用デッキが開通予定で、新たな人の流れが期待できる。南国プロパティマネジメントは「施設としても新たなスタートを切る年と位置付け、今以上に認知度を高めていきたい」としている。

 1年を迎えた18日、ライカの雑貨店や飲食店はまだ全員がマスク姿ながら、若者や家族連れら幅広い世代でにぎわっていた。鹿児島の陸の玄関口で、勝負の2年目が始まった。