焼酎業界が熱視線 基腐病に強いサツマイモの新品種「みちしずく」登場

 2022/06/22 21:10
農研機構が発表したサツマイモの新品種「みちしずく」(同機構提供)
農研機構が発表したサツマイモの新品種「みちしずく」(同機構提供)
 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は22日、焼酎・でんぷん原料用のサツマイモの新品種「みちしずく」を発表した。鹿児島県内で問題となっているイモの腐敗を引き起こすサツマイモ基腐(もとぐされ)病への抵抗性が高く、焼酎用で主流の「コガネセンガン」に代わる品種として焼酎メーカーも注目している。

 前年に基腐病の被害が大きかった畑での比較試験では、健全イモの1アール当たり収量はみちしずくがコガネセンガンの5~7倍だった。また、収量全体に占める健全イモの割合は、コガネセンガンが2~4割だったのに対し、みちしずくは6~9割と高かった。

 別の品種で焼酎をつくると風味が変わるなどの懸念があり、原料イモを確保する上での課題になっている。焼酎メーカーの協力を得て実施した調査で「コガネセンガンと酒質の類似性が高い」と評価され、代替品種として期待される。

 現在は安定供給に向けて県内で種芋の生産が進められており、2024年に1000ヘクタール、26年には2000ヘクタール以上での生産を目指す。県農産園芸課の木村規代特産作物対策監は「焼酎用の新たな選択肢になりうる。基腐病の基本対策と合わせて生産に取り組み、活用を進めたい」と話す。

 県内の焼酎業界からは、早くも熱い視線が集まる。焼酎メーカー112社でつくる県酒造組合の田中完専務理事は「コガネセンガンに近いという点がありがたい。名前通り、希望の道が開けた。一刻も早く普及してほしい」と語った。