参院の役割、意義は? 「誰に投票しても意味がない」…若者の声に識者解説 「変わらないと決めつけないで」

 2022/06/26 10:00
参院選候補者の名前が貼られた期日前投票所の記載台=鹿児島市役所
参院選候補者の名前が貼られた期日前投票所の記載台=鹿児島市役所
 南日本新聞社が参院選に関して鹿児島県内の18~29歳の若者を対象に行ったアンケートでは「誰に投票しても意味がないのでは」「自分の投票には価値があるのか」など、選挙に対する消極的な声が寄せられた。そもそも参議院の役割とは何か。参院選の意義はどこにあるのだろうか。

 政治家や政治、選挙の仕組みに対する要望で、出水市の24歳男性は「衆議院と参議院の役割分担の整理」を挙げた。

 日本の国会は、衆議院と参議院の二院制で、議員の任期は衆院4年、参院6年。参院は衆院と違って解散がなく、任期満了までの6年間、腰を据えて議会に臨むことができる。

 衆院と参院で意思が一致しないとき、いくつかの点で衆院に強い権限を憲法が認めている「衆議院の優越」により「参院の権限は小さい」とする意見がある。衆院と同じような審議を繰り返すとして「衆院のカーボンコピー」との声も。鹿児島大学の藤村一郎准教授(政治学)は「現在の政治そのものに意味があるのかという疑問が、参院の存在意義を問うことに置き換わっているのでは」とみる。

 参院で与党が過半数に届かない「ねじれ国会」では「野党や少数派の意見を反映させなければ法案は通りにくい」と指摘。「参院はダブルチェック機能だけではない。与党や官僚の発想にない法案が参院から出ることもある。多様性を確保できれば、政治家や官僚は襟を正す」と説明する。

 参院選は、3年ごとに半数を改選。衆院選に比べ選挙区が広く、比例代表では政党名だけでなく候補者名での投票もできる。「衆参で選挙制度が違うのは、本来は多様な有権者の意見を反映するためだ」と藤村准教授。

 中種子町の25歳女性は「政治家が変わっても政治がどう変わるのかよく分からない」との声を寄せた。

 藤村准教授は「少数意見も尊重しつつ、大きな合意を得るのが民主主義。変わるまで時間がかかる。変わらないと決めつけず、じっくり付き合う気持ちが大切」と話す。今回の参院選の結果がもたらす影響については、今後3年間、国政選挙がない可能性に触れ「自民党や日本維新の会などが議席を増やせば、状況次第で改憲が加速するのでは」と指摘した。