桜島の採石場跡 20年かけドングリの森に 小中生ら延べ9000人以上参加 4.3ヘクタールに1万4000本植栽

 2022/06/27 14:33
順調に生育を続ける照葉樹=鹿児島市桜島赤水町
順調に生育を続ける照葉樹=鹿児島市桜島赤水町
 鹿児島市桜島赤水町の採石場跡地で、照葉樹の森がすくすくと育っている。「桜島を緑に」をスローガンに掲げ、退職校長らでつくる実行委員会が植樹祭を20年にわたって開催し、地元建設業者の協力を得ながら大切に守ってきた。50センチほどだった苗木は最大で高さ約6メートルにまで成長し、野鳥も巣を作る。メンバーは「市民が集う森にしたい」と夢を膨らませている。

 森は広さ約4.3ヘクタール。桜島に自生しているマテバシイやアラカシなど、ドングリの実をつける照葉樹計1万4000本が立ち並ぶ。かつては同市与次郎ケ浜の埋め立てに使う溶岩を切り出す採石場だった。

 植樹祭は2002年にスタート。当初は野尻川や黒神川沿いで苗木を植えていた。火山活動の活発化に伴い、09年からは植樹の場所を採石場跡地に変更。これまで県内の小中学生ら延べ9000人以上が参加した。

 実行委は21年まで植樹祭を続け、現在は「桜島どんぐりの森管理委員会」として、月に1回集まり下草払いや枝打ちに汗を流す。社長が実行委メンバーの教え子だった縁で、10年以上前から地元の野添土木も活動に参加するように。草刈りや重機による整地を買って出る。野添導博社長(65)は「森が年々大きく育つのを見るのが楽しみ」と目を細める。

 成長した木々から採れたドングリは、植樹祭に参加する学校に配られ、児童生徒が数年がかりで苗木になるまで育てる。取り組みが評価され、今春、実行委は内閣総理大臣や国土交通大臣表彰も受けた。

 初期から活動に携わり、実行委員長も務めた地福俊幸さん(90)=西伊敷6丁目=は週3回森に通う熱心ぶり。「子どもたちが大切に育てたドングリを、これからも一生懸命育てていく」と力強く語った。