大崎事件4次再審請求 弁護側が即時抗告 鹿児島地裁の決定は「明白に真実に反する」

 2022/06/28 08:00
即時抗告後、記者会見する弁護団=27日午後6時ごろ、鹿児島市易居町の県弁護士会館
即時抗告後、記者会見する弁護団=27日午後6時ごろ、鹿児島市易居町の県弁護士会館
 1979年に大崎町で男性の変死体が見つかった「大崎事件」で、殺人と死体遺棄の罪で懲役10年が確定し服役した原口アヤ子さん(95)の第4次再審請求の弁護団は27日、請求を棄却した22日の鹿児島地裁決定を不服として、福岡高裁宮崎支部に即時抗告した。共犯とされた元夫(故人)についても即時抗告した。

 4次請求では、第3次で最高裁が問題視した「死亡時期」を明確化するため、解剖時の写真を基にした救命救急医による医学鑑定などを新証拠として提出。確定判決の絞殺時刻には「既に男性は死亡していた可能性が高い」と事故死を主張した。

 地裁決定は、転落が原因の事故死とする救急医の鑑定書を限定的に評価したものの、無罪を言い渡すべき明らかな証拠には当たらないとして退けた。

 弁護団は即時抗告の申立書で、地裁決定は科学的鑑定を適切に評価せず、これまでの請求での証拠を総合的に評価していないと反論。「疑わしきは請求人の利益に、との鉄則に従っていない」と批判し、「決定が真実に反することは明白」と訴えている。

 鹿児島市で記者会見した弁護団の鴨志田祐美事務局長は、「地裁は男性が事故による首の損傷が原因で死亡した可能性があると認めた。確定判決に合理的疑いが生じており、鉄則に従えば再審開始しかない」と強調。「高裁は当たり前に判断してほしい」と求めた。

 確定判決によると、79年10月12日夜、原口さんの義弟だった男性=当時(42)=が酒に酔い溝に転落。近隣住民2人が男性宅まで送り届けた。その後、原口さんが元夫らと共謀し、首をタオルで絞め殺害、翌日未明に遺体を牛小屋に遺棄した。

 再審請求では第1次で地裁、第3次で地裁と高裁支部が開始を認めたが、いずれも上級審が棄却した。