一人親、子どもの教育費に悩み…収入面でハンディ、物価高追い打ち でも負担減掲げる与野党の公約には冷ややか「子にツケ回すだけでは」

 2022/07/06 11:00
無料の「鹿児島つばめ学習塾」で学ぶ児童・生徒ら=鹿児島市武1丁目
無料の「鹿児島つばめ学習塾」で学ぶ児童・生徒ら=鹿児島市武1丁目
 「勉強についていくには塾通いが必須」。鹿児島市で中学1年の長男と小学5年の長女を育てる女性(43)は力を込める。資格取得につながる高校進学を考え、長男を学習塾に通わせる。毎月の教育費約3万円のうち、月謝2万2000円は外せない支出だ。

 シングルマザーの女性は介護施設の契約職員だ。手取りは月17万円弱。午後6時半までフルタイムで働いた後は家事に追われる。調理に時間をかけられず総菜に頼ることもあり、食費は6万円近くに上る。児童扶養手当約4万円は毎月あるが臨時出費も多く、毎月の貯金は難しい状況だ。

 保険外交員女性(49)=同市=も、教育費捻出に頭を悩ませる1人だ。正社員だが月々の給料は営業成績に連動するため、手取り13〜23万円と変動が大きい。公立高校2年の長男、中学2年の長女を1人で育てる。2人分の児童扶養手当は計約5万円入るが、生活費に充てざるを得ない。

 私立高校への進学を希望する長女は、今年から塾の夏季講習に通わせることにした。料金約5万円は6月に支給された子育て世帯への臨時特別給付金を充てる。高校の授業料はすでに実質無償化されているが、私立に進学すると費用は何かとかさむと聞く。今回は貯金を崩さずに済んだが「奨学金利用も視野に入れる」と漏らす。

 収入面でハンディを抱えがちな一人親世帯に、教育費は大きな負担だ。昨今は急激な円安に伴う物価高も追い打ちをかける。経済的な理由などで塾に通えない子どもを支援する「鹿児島つばめ学習塾」(同市)の瀬口和浩代表(53)は「子どもたちの学ぶ機会を保証する必要がある」と話す。

 ビルの1室に設けた教室には、学習意欲がある小学6年生〜中学3年生の10人余りが週3回集まり、ボランティア講師に学ぶ。授業料は不要で一人親世帯の入塾希望が増えているという。「教育の平等の観点から、経済力で学力差がついてはいけない。国は積極的に民間と連携し環境整備に努めてほしい」

 与野党とも公約で教育費負担の軽減を掲げる。鹿児島市の女性も保険外交員女性も選挙には足を運ぶつもりだ。ただ、鹿児島市の女性は「教育政策だけで子どものためになる社会が実現するとは思えない」とし、総合的に判断する考え。保険外交員女性は「聞こえのいいことを言っているが、財源はどうするのか。子どもたちにツケを回すだけでは」と冷ややか。その上で「時代の流れを理解し、次世代の考えを反映できる人を見極めたい」と話した。

(参院選かごしま「託す」より)