脱マスク 教育現場でなぜ進まない? 熱中症対策に教員ら苦慮 児童生徒は「外すのは恥ずかしいし、感染も怖い」

 2022/07/06 12:05
体育館でマット運動に励む児童ら=鹿児島市の広木小学校
体育館でマット運動に励む児童ら=鹿児島市の広木小学校
 梅雨明け後の急激な気温上昇で、熱中症の救急搬送が全国的に増えている。国は体育や運動部活動、登下校時にマスクを外すよう求めており、鹿児島県内の学校現場も対応に追われる。ただ、新型コロナウイルスへの感染懸念や顔を見られることへの恥ずかしさから、マスクを取りたがらない児童生徒は多い。子どもたちに「脱マスク」の必要性をどう浸透させるか、教員らは頭を悩ませる。

 鹿児島市の広木小学校体育館では4日、時折雨脚が強まる中で窓を開け、1年生がマスクを外しマット運動に励んでいた。同校によると、気象庁などが定めた熱中症警戒アラートを参考に適宜マスクを外すよう指導。本年度から、昼休みに外で遊ぶ児童へ教諭が校内放送を通じ外すよう呼び掛けている。

 6年生の男子児童は「メリハリを付けてマスクを使いたい」と話すが、図師弘秋(ひろあき)校長(59)は「手洗い・うがいや給食時の黙食といったコロナ対策が定着し、外すことに抵抗を感じる児童もいるようだ」と話す。感染への懸念や長引くマスク生活の習慣化が背景、とし「命にかかわる場面があることを児童に分かってもらいたい。教諭間で意見を出し合い、外しやすい環境づくりに努める」と力を込める。

 一方、県内のある高校3年女子は「マスクを付けた状態が当たり前になってしまった。外すのには恥ずかしさがあるし感染も怖い」と本音を漏らす。学校では体育で外すよう指導されたが、半分以上の生徒は外さなかったという。

 県教育委員会によると、6月に入り熱中症疑いで救急搬送されたのは、高校での1例のみで命に別条はなかった。国の通知を踏まえ県教委担当者は「命を優先した適切な対策を徹底してほしい」と、熱中症への注意を呼び掛けている。