電車で嘔吐された女子高生介助 大学生2人に「小さな親切」実行章 「ちょっとした勇気で縁生まれる」

 2022/07/11 10:53
「小さな親切」実行章を受けた岩拓夢さん(右)と伊東未来さん=鹿児島市の県社会福祉センター
「小さな親切」実行章を受けた岩拓夢さん(右)と伊東未来さん=鹿児島市の県社会福祉センター
 鹿児島市電の車内で乗客の吐しゃ物を浴びた見ず知らずの女子高校生に付き添い、汚れを取り除いた鹿児島国際大学3年の岩拓夢さん(21)と鹿児島大学2年の伊東未来さん(19)が8日、「小さな親切」運動本部から実行章を受けた。「困っている人に手を差し伸べる行動力が素晴らしい」と評価された。

 4月下旬、市電の座席にいた女子高生は、目の前に立っていた男性から吐しゃ物を浴びた。大学生2人は女子高生の手を取り、次の駅で降車。コンビニでタオルや水を買い、頭などに付着した汚れを拭き取り、保護者が迎えに来るまで付き添った。連絡先を聞きそびれた女子高生が「お礼を言いたい」と本紙を通じて呼びかけ、5月に再会した。

 岩さんは「元々人見知りで、知らない人に積極的に声をかけるタイプではない。ちょっとした勇気で縁が生まれることを知った」。伊東さんは「お礼を言いたいと思ってくれた女子高生の気持ちがうれしかった。人との関わり方について考える良いきっかけになった」と話した。

 「小さな親切」運動県本部の布袋嘉之代表は「親切は当たり前のようでなかなかできない。子どもたちの目標になる姿勢を見せてくれてありがとう」と感謝した。

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