猛毒ダイオキシン含む除草剤 林野庁、鹿児島・湧水で埋設位置調査へ 撤去念頭、近隣での観光・地熱施設開発受け

 2022/07/21 11:17
埋設された除草剤の撤去に関する要望書を手渡す仮屋良二議長(左から2人目)ら=林野庁
埋設された除草剤の撤去に関する要望書を手渡す仮屋良二議長(左から2人目)ら=林野庁
 全国の国有林にダイオキシンを含む除草剤が半世紀前から埋設されている問題で、林野庁は20日、鹿児島県内の所在5市町のうち湧水町で埋設位置を特定するための調査を本年度中に実施すると明らかにした。埋められた場所の近くで民間業者が地熱発電所や観光施設の整備を予定しており、撤去を念頭に先行し進める。

 除草剤は1960年代後半から国有林の雑草処理に使われた「2.4.5-T系」。有害性が指摘され71年に使用をやめた。セメントなどと混ぜ固め、15道県46カ所の国有林の地中に埋めた。鹿児島県内の埋設量は全国最多の約6.2トンで、内訳は屋久島町が3825キロ、湧水町1200キロ、伊佐市720キロ、南九州市445キロ、肝付町30キロ。

 近年多発する豪雨災害などで自治体から撤去の要望が相次いだため、林野庁は検討を開始。昨年度から埋設状況や撤去方法を探る調査を佐賀、熊本、高知、岐阜県の4カ所で進めている。これとは別に、風評被害といった地元の懸念を受け湧水町で位置の特定を行う。年度内に県内5市町全てで周辺の水質調査もする。

 伊佐市議会の森山良和議長、湧水町議会の仮屋良二議長、自民党の小里泰弘衆院議員(比例九州)が20日、同庁の織田央長官に早急な対応を要望。仮屋議長は「調査や情報提供を進め、国の責任を果たしてほしい」と話した。