「キキクル」の紫に要注意 いろいろある大雨情報、避難の参考になる指標を考える

 2022/08/06 10:10
土砂災害の危険度を知ることができる「キキクル」の画面(気象庁提供)
土砂災害の危険度を知ることができる「キキクル」の画面(気象庁提供)
 死者・行方不明者49人を出した8・6水害から6日で29年となった。東北や北陸で3日から続く大雨災害では、河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、各地に「緊急安全確保」や「大雨特別警報」が出された。大雨の危険を知らせる指標は増えたが、「違いが分かりにくい」という声もある。それぞれの位置付けや避難判断のポイントをまとめた。

 住民が避難を検討するのに役立つ情報は、大きく三つに分けられる。(1)気象庁がホームページで公開する「キキクル(危険度分布)」(2)同じく気象庁が発表する警報や注意報(3)自治体が発令する避難情報-だ。5段階ある警戒レベルに対応するよう、それぞれの指標が分類されている。

 キキクルには浸水、土砂、洪水の3種類がある。鹿児島地方気象台によると、日本地図を1キロ四方ごとに危険度で色分けし、視覚的に理解できるようにしている。浸水と土砂の場合、色分けは無色(今後の情報等に留意)から黒(災害切迫)まで5段階。間に黄色(注意)、赤(警戒)、紫(危険)がある。10分おきに更新し、リアルタイムで迫る危機を把握できる。洪水キキクルは、河川ごとの危険度も見られる。

 警報や注意報は「大雨」「洪水」「高潮」など災害別に名前が異なる。大雨の場合は「早期注意情報」から「大雨特別警報」まで設定されている。警報は警戒レベル3でキキクルの赤に、注意報はレベル2で黄色に相当する。気象台が原則市町村単位で発表する。県と気象台が合同で発表する「土砂災害警戒情報」はレベル4に相当。避難指示を発令する際の基準としている市町村も多い。

 一方、避難情報は「高齢者等避難」「避難指示」「緊急安全確保」があり、それぞれ警戒レベル3、4、5に相当する。他の二つと異なり、市町村が発令する。

 緊急安全確保が出た時はすでに災害が発生している可能性が高く、国は一段階低い避難指示までに安全な場所に移動するよう呼びかけている。2021年5月までは「避難勧告」という段階があったが、高齢者等避難に置き換わった。

 鹿児島大学の岩船昌起教授(災害地理学)は「キキクルを見ることで、自分の住んでいる場所が洪水や土砂災害など、どういった種類の危険があるか分かる。避難指示などを出す際に参考としている自治体も多く、例えば『紫になれば避難を考える』といった目安にすることもできる」と話した。