同級生、恩師から総額6億円の詐欺…なぜ「情状酌量を」なんて言えるのか JR元役員に被害者怒り

 2022/08/06 07:44
 JR九州が運用する高金利の預金制度があるなどとうそをいい、現金約3960万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われたJR九州グループ会社元役員の男(68)は5日、鹿児島地裁(冨田環志裁判官)の初公判で起訴内容を「間違いありません」と認めた。

 県警は、県内外の30人以上から6億円を超える被害が出ているとみて捜査を続けており、今年5〜7月に詐欺容疑で計3回逮捕。初公判で検察側は、間を置かずに、今後も立件していくことを明らかにした。

 初公判で被告は、退廷の際に傍聴席に向かって2度頭を下げた。公判後、「金利を付けて返済した人もおり、返すつもりはあった」と弁護人が情状酌量を求める方針を示したことに、被害者からは憤りの声が上がった。

 被告の同級生で、約4000万円を預けたという霧島市の女性は「返すつもりがあったのなら返してほしい」と語気を強めた。「現実に返してもらえなかった人が大勢おり、苦しむ気持ちをわかってほしい。そんな言葉で情状酌量なんてとんでもない」

 中学校時代の恩師で、家族と老人ホームに入居するために貯蓄していた多額の資金を2000年ごろから預けた80代男性は「自分には時間がない。あすの予定が立たない被害者に面と向かって情状酌量なんて言えるのか。許せん」と怒りをあらわにした。