〈更新〉観測ロケット「S520-32号機」打ち上げ成功 JAXA 電離圏の電子密度データ取得 カーナビ誤作動の仕組み解明へ

 2022/08/12 00:11
夜空に打ち上がる観測ロケット「S520-32号機」=11日午後11時20分、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所(JAXA提供)
夜空に打ち上がる観測ロケット「S520-32号機」=11日午後11時20分、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所(JAXA提供)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日午後11時20分、観測ロケット「S520-32号機」を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ、予定していたデータの取得に成功した。

 今回の打ち上げは、カーナビなどの位置情報に誤作動が起きる原因とされる、電離圏の電子密度が乱れる現象の仕組み解明が狙い。衛星利用測位システム(GPS)の電波などを使い電離圏下部の高度約100〜280キロで乱れを確認し、電子密度や電場のデータを取得した。詳細な解析を進め、高度による密度の違いなど現象の分布状況を把握する。

 12日未明に会見した実験主任の阿部琢美准教授は「今後もデータを積み重ねる。現象が発生しやすい時間帯や気象状況の予測を進め、実生活に役立つ情報を届けたい」と話した。

 観測ロケットは全長8.6メートル、重さ2.3トン。同観測所から南東方向に打ち上げ、522秒後に計画通り内之浦海上に落下した。打ち上げは当初7月10日の予定だったが、観測機器の不具合が見つかるなどし、2度延期した。同調査のための観測ロケット打ち上げは2013年以来。