火山の「噴火」と「爆発」どう違う? 使い分けるのは鹿児島の桜島、諏訪之瀬島、霧島山、口永良部島のみ 気象台は「地元で定着」

 2022/08/18 11:00
桜島では爆発地震に加え、噴石の飛散か空振などがあれば「爆発」とみなされる=2012年3月、鹿児島市黒神町から
桜島では爆発地震に加え、噴石の飛散か空振などがあれば「爆発」とみなされる=2012年3月、鹿児島市黒神町から
 「火山のニュースで聞く噴火と爆発はどう違うのか」という質問が南日本新聞の「こちら373」に寄せられた。気象庁は噴出の激しさで使い分けているが、「爆発」を発表しているのは鹿児島市の桜島など全国の活火山で鹿児島県内の4火山のみ。火山活動が活発な鹿児島ならではの表現といえる。それぞれの定義や運用状況をまとめた。

 気象庁は噴火を「火口から溶岩が流出する、もしくは火口の外へ火山灰等の固形物を放出する現象」と定義している。原則として、噴煙の高さ、噴石の飛散がそれぞれ100〜300メートルを超えた場合を噴火とし、該当する場合は、噴煙の高さなどを記載した観測報を各地の気象台が発表する。

 爆発は噴火の一種で、マグマに溶けていた気体や水が急激に気化・膨張し、溶岩などが勢いよく地表に噴出する現象を指す。

 具体的な基準は火山ごとに定められる。桜島では、火山性地震の一種である爆発地震の発生に加え、大きな噴石の飛散か空振を観測した場合などが該当する。

 十島村諏訪之瀬島は(1)爆発地震が発生(2)振幅が一定以上(3)島内の空振計で10パスカル以上の空振を観測-の三つを全て満たした場合が爆発となる。爆発回数は噴火警戒レベル引き上げ基準の一つになっている。

 全国50の「常時観測火山」のうち、気象庁が噴火と爆発を使い分けているのは、桜島、諏訪之瀬島、霧島山、屋久島町口永良部島の4火山のみだ。

 気象庁は爆発について、「極力使用を控えるが、場合により使用する用語」とし、2019年までは爆発とほぼ同義の「爆発的噴火」を含め3種類の表現を全国で使っていたが、「学術的な定義があいまいで、誤解を生む」との理由で原則「噴火」に統一した。一方、鹿児島地方気象台は「地元で定着している」として、爆発の表現を使用している。

 桜島を長年研究する京都大学防災研究所の井口正人教授は「そもそも全国的には噴火自体が珍しい。昔から火山活動が活発な鹿児島では、音や噴石を伴うものを爆発と呼ぶことが住民にも浸透していた」と話す。

 桜島と諏訪之瀬島は、噴火の発表基準も他の火山と異なる。噴煙の高さ100〜300メートル超とした全国的な基準では回数があまりに多くなるため、噴煙量が中量以上(噴煙の高さがおおむね1000メートル以上)の場合のみ公表している。

 南日本新聞も「噴煙量が中量以上の噴火」を噴火の回数として算入し、爆発と噴火は使い分けて記載している。