コロナ重症化、若い世代でも 爆発的感染拡大続く鹿児島県内 医師「ほとんどはワクチン未接種」

 2022/08/19 11:33
重症患者を受け入れる集中治療室の一室=2021年10月、鹿児島市の鹿児島大学病院
重症患者を受け入れる集中治療室の一室=2021年10月、鹿児島市の鹿児島大学病院
 鹿児島県内で新型コロナウイルス感染の爆発的な拡大が続き、重症患者が急増している。医療従事者の欠勤も相次ぐ中、重症者に対応するには通常より多くの人員が必要になる。現場は「医療崩壊寸前。持病のない若い世代でも重症化する人が増えている。せめて感染者数が頭打ちになるまでは感染リスクのある行動を控えて」と訴える。

 県内の新規感染者は、18日までの1週間だけで2万6000人を超え、前週の1.1倍と拡大が止まらない。集中治療室(ICU)での治療または人工呼吸器が必要な重症者は、8月上旬まで1~5人で推移していたが、14日に過去最多の11人になってから、16日時点で14人まで増えている。

 県は感染拡大を受け、コロナ病床を7月から段階的に増やし、重症者用は現在15医療機関に40床ある。使用率は35%で、比較的余裕があるように映るが、病院関係者の一人は「人工呼吸器を使うスタッフは高い知識や技術が求められ、全ての重症者は受け入れられない病院も多い。実際はかなり逼迫(ひっぱく)した状態」と話す。

 鹿児島大学病院はコロナ用のICU6床が一時埋まり、1床増やした。垣花泰之・救命救急センター長は「感染者がこれだけ多いためか、20代など若くて基礎疾患もないのに(突然心臓の機能が低下する)劇症型心筋炎になったり、自宅で容体が重篤になってから運ばれてきたりする人が増えた。重症者はほぼワクチンを打っていない」と明かす。

 ICUでは通常、患者2人を看護師1人が見るのに対し、コロナの場合は患者1人に看護師2人が必要で、4倍の人手がかかる。「重症者を1人受け入れると1カ月はベッドが空かない」といい、病床の目詰まりも懸念する。

 「各地の医療機関内で集団感染が次々に起き、脳梗塞など一般の急患を受け入れられる施設も減っている。感染者がこれ以上増えると本当にまずい」と垣花センター長。「医療者の家庭内感染を抑えるためにも、子どももワクチンを接種し、1~2週間は人混みに行くのをなるべく避けて。自宅で嘔吐(おうと)を繰り返すなど消化器症状が出た感染者は、迷わず救急車を呼んでほしい」と求める。