外国人スタッフ増、すし握り体験復活…訪日客受け入れ準備着々 解禁3カ月、7日から水際対策さらに緩和

 2022/09/07 11:29
久々に訪日外国人客向けに開かれた握り体験「寿司学校」=鹿児島市のふぁみり庵はいから亭与次郎本店
久々に訪日外国人客向けに開かれた握り体験「寿司学校」=鹿児島市のふぁみり庵はいから亭与次郎本店
 訪日外国人観光客の受け入れ手続きを政府が解禁して約3カ月が経過し、鹿児島県内にもツアー客が徐々に訪れ始めている。7日からは新型コロナウイルスの水際対策をさらに緩和。県内では宿泊施設が外国人スタッフを増やすなど、受け入れ準備が進む。一方、相手国の隔離期間などがネックになるとして、早期の回復に懐疑的な見方もある。

 3日夜、鹿児島市の「ふぁみり庵はいから亭与次郎本店」に、香港のツアー客8人の姿があった。板前姿で挑むのは、すし握り体験「寿司(すし)学校」。講師の指導を受け、カンパチなどを握った女性客は「日本食を楽しみにして来た。体験はとても面白い」と笑顔で話した。

 寿司学校は2014年の開始以降、約4万7000人を集客した人気企画だ。新型コロナウイルスの流行後、今回が初の外国人受け入れとなった。運営する康正産業(鹿児島市)の松崎正人・観光営業課長は「ようやく動きが出てきた。握り体験は他の施設にない印象に残るコンテンツ。今後も積極的に誘客に努めたい」と力を込める。

 宿泊施設でも準備が進む。指宿白水館(指宿市)は外国出身スタッフの採用を強化し、現在は香港、フィリピン、ネパール、ベトナムの9人を雇用する。今春入社したネパール出身のカドカビナヤさんは「おもてなしの心を学び、母国でホテルを開きたい」と将来の目標を語る。

 「これからはインバウンド(訪日外国人客)が増え、日本人だけではスタッフが不足する可能性もある」と下竹原利彦社長。英語など数カ国語ができる上、やる気や熱意が強いとして「本当に頼もしい」と信頼を寄せる。

 19年の県内宿泊者が22万人余りと最多だった香港。現地大手旅行会社・EGLツアーズの袁文英社長は「日本旅行への関心は高い。添乗員を伴わないツアーも解禁され、自由度が上がる」と制限緩和を評価する。一方、「航空業界は人手不足で輸送能力は完全に戻っていない。香港に戻っての3日の隔離期間をネックと考える人もいる」と観光客の大幅回復には冷静な見方を示す。

 現在、九州で国際線が再開しているのは福岡空港のみ。観光関係者からは「鹿児島空港の国際線早期再開がインバウンド増加に欠かせない」との声も聞かれる。