海自鹿屋基地の工事現場から現れた旧海軍の遺構 その役割は…分からなかった 撤去始まる

 2022/09/09 10:32
海上自衛隊鹿屋航空基地の工事現場から見つかったコンクリート塊=鹿屋市
海上自衛隊鹿屋航空基地の工事現場から見つかったコンクリート塊=鹿屋市
 海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)の工事現場の地中で見つかった旧日本海軍の遺構とみられるコンクリート製構造物を巡り、防衛省が撤去作業を始めたことが8日までに分かった。作業完了後の土地は埋め戻して財務省に引き継ぐ。同市教育委員会文化財センターは8月下旬に実測を終えており、記録の保存作業を進めている。

 撤去は2日始まった。同省九州防衛局と同センターによると、構造物は2021年7月下旬に見つかった。今年5月末から現地調査などを行ったものの、記録が残されておらず、構造物のはっきりとした役割は判明しなかったという。同センターの松元敏幸所長は「戦跡としての重要性を認識しておりデータで残した。内容は公表する予定だ」と話した。

 構造物は、海軍鹿屋基地に併設し約1万人が軍用機の部品製造や修理に当たった第22航空廠(しょう)の建物の基礎とみられる。幅約3メートル、奥行き約2.5メートル、高さ3.5メートル以上の直方体が17個あり、1列に並んだ状態で見つかった。

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