連載「俳優・迫田孝也のオモ語り」始まり、始まり… 広島大在学中、たまたま遊びに行った奄美大島で映画の撮影班と交流、芸能界へ 「自分の経験スパイスに発信。新聞広げ、お茶飲みながら楽しめるエッセーを」〈アーカイブ〉

 2022/09/12 15:06
連載エッセー「迫田孝也のオモ語り」の抱負を語る迫田孝也さん=東京都目黒区
連載エッセー「迫田孝也のオモ語り」の抱負を語る迫田孝也さん=東京都目黒区
(南日本新聞2019年4月14日付)

 テレビドラマや舞台で活躍する鹿児島市出身の俳優、迫田孝也さん(41)の連載エッセー「迫田孝也のオモ語り」が21日、本紙でスタートする。昨年のNHK大河ドラマ「西郷どん」に出演、鹿児島テレビが開局50周年記念で制作したドラマで初主演を経験するなど、売り出し中の迫田さんに近況や連載への意気込みを聞いた。

 迫田さんは21日放送開始の連続ドラマ「集団左遷!!」(MBC、日曜午後9時)に、福山雅治さん演じる主人公の下で働く銀行員役で出演する。7月には初めてのミュージカルに挑戦し、9月には三谷幸喜さんの新作「愛と哀(かな)しみのシャーロック・ホームズ」の舞台が控えるなど、充実した日々を送る。

 役者になって19年。「いろんな役をやって、目指してきたステージにようやく立てるようになった」と手応えを感じている。

 広島大学在学中、たまたま遊びに行った奄美大島で映画の撮影班と交流したのがきっかけで、卒業後に芸能界に飛び込んだ。CMや舞台などの経験を重ねて一歩ずつ成長してきた。

 そんな迫田さんを大きく飛躍させ、地元・鹿児島とのつながりが深まるきっかけになったのが、昨年の「西郷どん」の出演と方言指導だった。上京して以降、なかなか帰る機会がなかった鹿児島を訪れるチャンスが増えた。地元の人から声をかけられるようになり、「知り合いが増えた」と笑う。

 長い下積み生活の間、食べていけずにバイトもした。それでも役者として「飽きることもぶれることもなかったけど、まだ何一つ成し遂げてもいなかった」。その時々にするべきことに打ち込んだ結果が認められ、新たなステージに立ってみて「自分の中に変化はなくても、バラエティー番組出演など役者以外の表現も含めて、いろんな挑戦ができるようになった」と活動の幅が広がったと感じている。

 エッセーもその一つ。鹿児島市の新成人向けメッセージなど、単発の文章を発信したことはあるものの、自ら書いたものを連載するのは初めてだ。

 連載が決まってからは、撮影の合間に、頭に浮かんだことをメモして構成を考えたり、役者の先輩たちのエッセーを読んだりしているという。書き始めると「おもしろくしたい、興味を持ってもらいたい」と、こだわりが出てきたという。

 「身近な生活の中で感じたことを自分の経験をスパイスにして発信できれば。朝、新聞を広げて、お茶を飲みながら眺めていただけるようなものを書いていきたい」