日本特殊陶業、鹿児島・さつま工場増設 40億円投資、スパークプラグ増産 10月着工、24年7月操業予定 10人新規雇用

 2022/09/14 12:42
増設が決まった日特スパークテックWKSさつま工場=さつま町田原
増設が決まった日特スパークテックWKSさつま工場=さつま町田原
 スパークプラグの世界トップシェアを誇る日本特殊陶業(本社名古屋市、日特)は、鹿児島県さつま町にあるグループ会社の日特スパークテックWKSさつま工場を増設する。13日に町役場で立地協定の調印式があった。約40億円を投資して生産体制を強化し、スパークプラグの月170万個の増産を目指す。

 新工場は鉄骨3階建てで、延べ床面積は約3700平方メートル。めっき工程の処理能力向上が期待されている。10月着工、2024年7月の操業開始を予定する。10人を新規雇用する。

 調印式で、上野俊市町長は「世界一の生産量を誇る工場は町の誇り。地域経済のさらなる発展に期待したい」とあいさつ。さつま工場長で、日特の加藤章良上席執行役員(57)は「自動車の電気自動車(EV)化が進んでいるが、世界的に見ればスパークプラグの需要はまだ増えると考えている。職場環境の改善にもつなげたい」と述べた。

 さつま工場は1974年に国内3番目の工場として操業開始し、次々と増設してきた。スパークプラグのみを製造。3月末時点での従業員数は710人で、月平均生産量は約2600万個。町内には関連企業が多くある。

■世界的需要、10年は伸びる-上席執行役員・さつま工場長 加藤章良氏に聞く

 日特スパークテックWKSさつま工場の工場長で日本特殊陶業上席執行役員の加藤章良氏(57)にスパークプラグの需要の見通しや経営方針について聞いた。

 -スパークプラグの需要はどうなる。

 「商品の大半が自動車で使われている。先進国では電気自動車(EV)化が進んでいるが、発展途上国では内燃機関の自動車保有台数は増えていく見込みだ。また、世界的シェアが50%以上となっている交換用の需要は絶対に残る。世界的な需要は少なくとも10年以上は伸びると考えている」

 -国内には7工場ある。さつま工場への投資計画は。

 「今後増える需要に対しては海外の工場に投資して対応する方針だ。国内工場は当面現状維持となる。一方で、さつま工場は集中的に投資してきた結果一番大きな拠点となっており、熟練した社員が多く集まっている。ほかの国内や国外の工場を指導するマザー工場との位置付け。必要な投資はしていきたい」

 -さつま工場は来年操業50年を迎える。

 「社員には60歳近い人が多い。町や県には人材確保への協力をお願いしており、住宅確保も課題となっている。会社としては内燃機関以外の商品として医療や環境、エネルギー関係も考えているが、今後もスパークプラグの供給義務がある。町と連携しながら生産に力を入れていきたい」