最強級台風 緊張の3連休 ホテルはキャンセル一転、避難客が続出 ブロック塀倒壊、割れた大型ガラス、断水・・・「こんな強い風初めて」 鹿児島県内

 2022/09/19 08:07
ホテルに避難するためキャンセル待ちをする人たち=18日午後、鹿児島市中央町
ホテルに避難するためキャンセル待ちをする人たち=18日午後、鹿児島市中央町
 台風14号が過去最強級の勢力を保ったまま鹿児島県本土に上陸した18日、県内は広い範囲で暴風雨が終日吹き荒れた。停電が相次ぎ、自宅や避難所を避け、ホテルに身を寄せる人も。緊張の抜けない3連休に住民らは「早く去って」と無事を祈った。

 屋久島町は全域で停電が断続的に発生し、宮之浦地区(1468世帯)は断水にも見舞われた。町によると、復旧のめどは立っていない。宮之浦の主婦中島セツ子さん(75)は「いつも水は準備しているので、しばらくは大丈夫。じっと耐えるしかない」。

 種子島も立てないほどの強風が襲い、根こそぎなぎ倒された木が県道をふさいだり、サトウキビが根元から折れたりした。西之表市の美容師榎本勇次さん(51)は店に隣接する倉庫が一部倒れ、風雨の合間を縫って片付けに追われた。「こんなに風が強い台風は初めて。(倒壊で)けが人が出なくてよかった」

 南種子町役場では1.5メートルほどの高さのブロック塀が約15メートルに渡り倒壊した。町職員は「19日からの調査でさらに被害が明らかになるかもしれない」と気をもんだ。

 鹿屋市内ではパチンコ店の大型ガラスが壁一面に渡って割れ、店内が雨ざらしになった。あちこちで街路樹が折れ、街に人気がなくなる一方、宿泊施設には避難の問い合わせが相次いだ。ホテルさつき苑は、高齢者ら約30人の避難客を受け入れ、満室になった。

 鹿児島市内のホテルも連休前に相次いだキャンセルが一転、予約客が続出した。各ホテルの支配人は「朝から電話が鳴りやまない。停電にならないといいが」。鹿児島中央駅周辺ではホテルのロビーがチェックインを待つ数十人の宿泊客で埋まり、駅で待つ人の姿も。

 伊佐市から避難した大北克彦さん(70)博子さん(71)夫婦は「家が古く、気分転換も兼ねた。でも、どこも店は閉まり、台風が抜けるのを待つしかない」。50代の母親とホテルを訪れた鹿児島市原良7丁目の女性看護師(25)は「家は崖が近く怖く、避難所での新型コロナ感染のリスクも考えた。病院に泊まり込みで働く同僚もいる。どうか無事に過ぎて」と願った。

 連休に合わせ、兵庫県から観光に来ていた森本岳伸さん(27)は「結局、ホテルに缶詰め状態だった。台風は仕方ない。また来たい」と残念そうに話した。