鹿児島ゆかりのアントニオ猪木さん、闘魂注入食らった県議「優しいビンタ痛くなかった」 父の故郷から悼む声 縁戚ら1978年の墓参懐かしむ

 2022/10/02 07:30
先祖の墓参りに訪れたアントニオ猪木さん。抱かれているのは縁戚の猪木誠一さんの長女=1978年、出水市上鯖渕(猪木誠一さん提供)
先祖の墓参りに訪れたアントニオ猪木さん。抱かれているのは縁戚の猪木誠一さんの長女=1978年、出水市上鯖渕(猪木誠一さん提供)
 「西郷さんのような人間になりたい」。アントニオ猪木さんは生前、自身のツイッターで西郷隆盛への憧れや父親が鹿児島県出水市出身であることをつづっていた。出水在住の縁戚らは「残念でならない」と郷土ゆかりのヒーローの死を悼んだ。

 猪木さんは自著「猪木寛至自伝」(新潮社)で父佐次郎さん、母文子さんの9番目の子として生まれ、旧制熊本一中から関西大に進んだ佐次郎さんは、猪木さんが5歳になる直前に亡くなったと記している。

 2020年のツイッターでは、西郷を尊敬していた佐次郎さんが猪木さんに「大きくなったら西郷さんみたいになれよ」と語っていたことを吐露。猪木さんにその記憶はないが、兄弟たちから聞いたという。

 出水市上鯖渕の田之頭公民館近くに先祖の墓がある。プロボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリ(米国)との大一番を繰り広げた2年後の1978年、墓参に訪れ、縁戚や地域住民が駆け付けた。

 「体の大きさが印象に残っている。生後まもない長女を抱いてもらったのが思い出」。縁戚の猪木誠一さん(70)はそう振り返り、当時の写真を懐かしそうに見つめた。この時以降は会っていないが、テレビに登場する姿を応援してきた。突然の訃報に「体を酷使してきた影響もあったのだろう。残念としか言いようがない」と惜しんだ。

 出水市社会福祉協議会の渋谷俊彦会長(80)は40年近く前、出水市であったプロレスを観戦。猪木さんがリング上で「先祖は出水出身」と語ったのを覚えている。「地元ゆかりのレスラーと知って関心を持ち、活躍を期待していた」と冥福を祈った。

 政界へも進出した猪木さんは、2013年の参院選で日本維新の会から立候補し、鹿児島市を遊説した。この時、維新公認で鹿児島選挙区から出馬した現県議の岩重仁子さん(48)は、猪木さんと並んで街頭演説後、ファンらと一緒に希望して「闘魂注入ビンタ」を食らったのが思い出だ。

 「優しいビンタで痛くはなかった」。8月の日本テレビ系「24時間テレビ」に生出演した時は、おなじみの「元気ですか!」を披露した猪木さん。岩重さんは「声は元気そうだった。まだ頑張っていただけると思っていた」と残念がった。