衆院鹿児島2区 「ヤスミタ合戦」勃発か 自民公認巡り、比例・保岡氏と元鹿児島県知事・三反園氏がつばぜり合い

 2022/10/03 07:25
三反園訓氏(左)と保岡宏武氏
三反園訓氏(左)と保岡宏武氏
 昨秋の衆院選から間もなく1年。関係者の間で、無所属新人の三反園訓氏(64)が自民現職の金子万寿夫氏(75)を破った鹿児島2区に注目が集まっている。衆院選公認の前提となる支部長職にとどまる金子氏の去就を巡り、自民入りをうかがう三反園氏と、比例で初当選し小選挙区へのくら替えを視野に入れる自民の保岡宏武氏(49)がつばぜり合いを演じているからだ。かつての「保徳戦争」になぞらえ、“ヤスミタ合戦”とささやかれる闘いが水面下で進んでいる。

 9月29日、三反園氏は自民党本部近くのビルに姿を見せた。二階俊博元幹事長が会長を務める志帥会(二階派)の定例会合に出席するためだ。無所属で国会質問の機会がほとんどなく、地元回りを重視する三反園氏にとって数少ない都内での公式の場だ。

 特別会員となった3月以降、二階氏とは定期的に面会。「記者時代から世話になっており、地元要望を含め相談させてもらっている」と話す。二階氏も「将来性がある」とした上で、「(早期の)自民党入りもそんなに難しくないんじゃないか」と持ち上げた。

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 「小選挙区で戦いたい」。現職宮路拓馬氏と1区公認を争い、比例に回った保岡氏はこう強調する。念頭にあるのは父興治氏=2019年死去=の出身地・奄美を含む2区だ。興治氏の元秘書を務めた金子氏と気脈を通じ、周囲も「宏武氏なら理解を得やすい」。2区内に事務所を構える方針で、「次期総選挙への布石」とみられている。

 後見人を務めるのが、保岡氏の祖父が所属した宏池会(岸田派)の流れをくむ有隣会(谷垣グループ)を率いる遠藤利明氏。党選対委員長、総務会長を歴任する実力者は、昼夜問わず党務に当たる保岡氏の働きを評価し、「小選挙区から立つにふさわしい期待の若手」と太鼓判を押す。自民重鎮の一人は「二階派と距離を置く岸田-遠藤ラインは保岡支持だろう」と解説する。

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 かつて知事を務め知名度抜群の無所属と、党所属の1期生がにらみ合う「ヤスミタ合戦」が動くのは、金子氏が政界引退を発表するタイミングというのが周囲の一致した見方だ。保岡氏を後継に据える考えとされる金子氏が引き際を見誤れば「三反園氏に入り込むすきを与える」(自民ベテラン)という声もある。

 支部長選考に影を落とすのが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題と政権支持率の急落だ。保岡、金子両氏とも関連団体と接点があったとされる。問題が長引き政権求心力がさらに衰えれば、反岸田派の反転攻勢が考えられ、状況は一層複雑になる可能性がある。

 金子氏は取材に「2区の今後について協議を始める時期にきている。出処進退は近く明らかにする」と話した。

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