鹿児島県の新総合体育館・経済効果は287億円…専門家の試算は「多くても4割」 「県外業者受注で大きな差出る」

 2022/10/04 08:35
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=鹿児島市本港新町
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=鹿児島市本港新町
 鹿児島県が287億円余りと試算した新総合体育館(スポーツ・コンベンションセンター)建設時の県内への経済波及効果について、名古屋学院大学経済学部の萩原史朗准教授(公共経済学)は3日、南日本新聞の取材に「多くても県試算の4割」との推計結果を明らかにした。萩原氏は「県民が整備の是非を判断する上で、実態に見合った数字を出すことが必要」と指摘する。

 萩原氏は南さつま市出身。研究の一環で全国のアリーナやスタジアム整備を調査する中、地元・鹿児島の新体育館計画に着目した。県は3月に策定した基本構想で経済波及効果を287億8400万円と推計。これに対し萩原氏は自身の調査を基に、県外ゼネコンが受注する可能性があり、その場合114億9901万円になるとはじき出した。

 県と萩原氏は、「施設整備費」による経済波及効果を、県の同じシステムで算出。県は受注業者がどこになっても資材などは全て県内で調達すると想定。一方、萩原氏は県外業者が受注すれば県外で調達するものも出てくるとみており、大きな差が生じた。

 萩原氏は、原価を差し引いた付加価値に絞ると、効果は60億円程度にしかならないとも指摘。「工事を発注する行政は大きめの数字を出そうとする。県の試算を出す手法は適切ではない」とする。

 県スポーツ施設対策室の西博夫室長は「専門のコンサルタントを通じて一般的な手法で試算した。他県の類似施設も同様の方法で推計していると確認している」と話した。

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