経済対策に畜産支援 岸田首相表明「稼ぐ力伸ばす」 霧島で和牛生産者とも対話 農家側は飼料高騰、子牛価格下落に伴う窮状訴え

 2022/10/11 10:22
和牛生産者の声に耳を傾ける岸田文雄首相(左)=10日、霧島市のみやまコンセール
和牛生産者の声に耳を傾ける岸田文雄首相(左)=10日、霧島市のみやまコンセール
 全国和牛能力共進会(全共)の閉会式出席で鹿児島県霧島市を訪れた岸田文雄首相は10日、10月中に策定する総合経済対策に、畜産農家などの支援策を盛り込むと記者団に表明した。国産飼料・肥料の供給を拡大する支援制度の創設や牛肉の輸出強化が柱。「稼ぐ力をしっかり伸ばしていかねばならない」と強調した。

 岸田首相は表明に先立ち、同市のみやまコンセールで和牛生産者4人と車座で対話。同席した野村哲郎農相(参院鹿児島選挙区)が総合経済対策の畜産関係として、飼料自給率の1割向上、化学肥料の1割を堆肥に代替、2030年の牛肉輸出を3600億円に拡大-を説明した。

 農家側は円安などによる飼料・肥料価格の高騰や子牛価格の下落に伴う窮状、補助制度の拡充を訴えた。岸田首相は「努力を後押しできるようにしたい」と応じ、同対策を一層充実させる姿勢を示した。

 対話後、窪田畜産の窪田加奈子さん(40)=霧島市=は「対策には期待できるが価格高騰が続いて不安も残る」。繁殖農家の永田佳美さん(33)=姶良市=は「小規模農家への支援をもっと充実させてほしい」と求めた。

 車座対話には地元選出の森山裕衆院議員や塩田康一知事も同席した。