噴火特別警報の緊急速報メール終了「桜島の住民への影響大」 鹿児島市長が懸念示す 警戒範囲の追記要望かなわず

 2022/10/19 08:08
7月24日、鹿児島地方気象台が配信した桜島の噴火警戒レベル上げを伝える緊急速報メール。警戒対象地域が明記されてない
7月24日、鹿児島地方気象台が配信した桜島の噴火警戒レベル上げを伝える緊急速報メール。警戒対象地域が明記されてない
 噴火特別警報の緊急速報メールを年内で終了するとの気象庁の発表を受け、桜島のレベル引き上げ時に警戒範囲を追記するよう要望していた鹿児島市からは、戸惑いの声が上がった。下鶴隆央市長は配信停止を「住民への影響が大きい」とコメントし、正確で迅速な情報提供を改めて求めた。

 鹿児島地方気象台は、7月に桜島の噴火警戒レベルを5(避難)に引き上げた際、市全域に緊急速報メールを配信したが、警戒範囲は明記されなかった。市には「全島避難なのか分からない」など対象地域を尋ねる問い合わせが相次ぎ、文面の改善を要望していた。

 気象庁は対応を検討したものの、「警戒範囲を追加しても、市内全域に配信される限り混乱は避けられない」と判断。今後は、自治体が避難情報を的確に発令できるよう情報伝達を強化していくとした。

 市長コメントでは、配信終了の対象外である緊急地震速報や津波警報と同様、突然発生する噴火の特別警報も住民にとって重要な情報で、速報メールは即時性の高い伝達手段だと指摘。危機管理課は住民への周知漏れを防ぐために「自治体が新たな対応を迫られる」と懸念を示した。