乳幼児のコロナワクチン接種 保護者に迷い 重症化防ぎたい…でも「副反応や将来への影響心配」 日程調整の難しさも

 2022/10/25 08:50
発送される乳幼児の新型コロナワクチン接種券=24日、鹿児島市役所
発送される乳幼児の新型コロナワクチン接種券=24日、鹿児島市役所
 生後6カ月~4歳の乳幼児対象の新型コロナウイルスワクチン接種が24日から可能になり、鹿児島県内では11月に本格化する見通しだ。保護者は子どもの重症化を防ぎたい半面、副反応の懸念があり、接種を迷う人も多いようだ。この年代は他に打つべきワクチンが多く、日程調整が難しいという声も上がる。

 県によると、県内の対象者は約5万5000人。ワクチンは各市町村に今週か来週から到着し、接種はほとんどの市町村で11月に入ってから始まる。鹿児島市は24日に接種券を発送し、31日から市内の医療機関で接種を開始する。

 接種は5歳以上と同様に努力義務が適用される。使用する米ファイザー製ワクチンの有効成分量は12歳以上の10分の1で、3回接種が必要。初回から2回目は3週間、3回目は8週間以上の間隔を空ける。

 自治体からは「感染状況が落ち着いたこともあり、接種率が低い5~11歳の小児よりさらに伸び悩むのでは」との声が相次ぐ。県内は16日時点で人口の82%が2回以上接種したのに対し、5~11歳の2回目接種率は23.6%(全国21.6%)にとどまる。

 「副反応や将来への影響は心配だけど、感染して重症化するのも怖い。はしかなど他の予防接種が多く、コロナワクチンを打つとなるとスケジュールが過密になるのは気になる」。鹿児島市の女性(33)は「難しい選択」と1歳の娘の接種に頭を悩ませる。

 3~9歳の3児がいる指宿市の女性(36)は夫、自身の接種後は発熱や腕の痛みがきつかったといい、「子どもに副反応で大変な思いをさせたくない」と漏らす。

 ワクチンは従来株対応品だが、厚生労働省によると、オミクロン株流行下での海外の臨床試験で、発症する割合は3回接種した場合、打たないグループに比べて約7割減った。副反応は腕の痛みや疲れ、発熱などの報告例があり、ほとんどが軽症か中等症で快方に向かった。偽薬のグループと頻度にほぼ差はなく、「安全性に重大な懸念はない」としている。

 感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「大人に比べて副反応の割合は低い。まれではあるが、健康な子どもでも感染後に急性脳症などで死亡する例があり、年齢が低いほどそのリスクは高い。接種の意義は大きい」と話す。国立感染症研究所によると、1~8月に感染して死亡した5歳未満は14人報告され、うち6人は基礎疾患がなかった。

 厚労省は、インフルエンザワクチンとの同時接種は可能とし、他のワクチンとは2週間空けるよう求める。乳幼児は10種類以上の定期接種を受けるため、西教授は「綿密な計画が必要。接種スケジュールを含め、かかりつけ医としっかり相談してほしい」と呼びかける。