風力発電計画の鹿児島市八重山周辺 絶滅危惧種・クマタカ確認 以前はつがいも 守る会「取りやめを」

 2022/10/29 11:03
八重山の上空を悠々と飛ぶクマタカ=28日午前11時21分、鹿児島市郡山岳町
八重山の上空を悠々と飛ぶクマタカ=28日午前11時21分、鹿児島市郡山岳町
 風力発電建設が計画されている鹿児島市郡山地域の八重山で28日、絶滅危惧種のクマタカ1羽を確認、撮影した。県内でクマタカを見られる場所は限られ、一帯は希少な撮影スポットになっている。

 クマタカは体長約80センチ、翼を広げると1.6〜1.8メートルになる大型の留鳥。森の生態系の頂点にたつとされ、タヌキやヤマドリなど餌が豊富な山奥に生息する。八重山ではこれまでつがいも確認。県は同計画の環境影響評価(アセスメント)知事意見で、営巣に影響が出る可能性が高いとして、設備配置の取りやめなどの検討を求めている。

 「八重山こいやまを守る会」の鮫島亮二共同代表(45)は「クマタカをはじめ、八重山には豊かな自然が残っている。事業者には計画を早く取りやめてもらいたい」と話した。

 同市と薩摩川内市にまたがる八重山周辺では、日本風力エネルギー(東京)が発電機最大9基(1基当たり最大高154メートル)の設置を計画。環境アセス手続きを進めている。