DVなどの被害者住所を加害者に漏えい 市職員ミス、市長陳謝「絶対にあってはならない事故」 薩摩川内

 2022/11/01 08:18
記者会見で頭を下げる田中良二市長(中央)=31日、薩摩川内市役所
記者会見で頭を下げる田中良二市長(中央)=31日、薩摩川内市役所
 鹿児島県薩摩川内市は31日、DV(ドメスティックバイオレンス)などで支援が必要な被害者のうち1人の個人情報が漏えいしたと発表した。住所が載った戸籍付票の写しを加害者に発行した。田中良二市長が市役所で記者会見を開き、陳謝した。

 DVやストーカー、児童虐待、それらに準ずる被害者は、住民票や戸籍付票の発行を制限する支援措置を申請できる。

 市によると、市民課職員が6月初旬、支援措置の対象者名簿を関係課と共有する際、戸籍システム上で被害者の発行制限を解除し、そのまま再設定し忘れた。同月中旬、加害者から被害者の戸籍謄本と付票の写しの申請があり、窓口で発行してしまった。

 加害者が被害者側に接触して発覚、市は7月13日に漏えいを確認した。被害者に謝罪し、10月20日に和解。慰謝料や引っ越し代金計70万2800円を支払った。

 田中市長は会見で「絶対にあってはならない事故が発生した。信頼回復に全力で取り組む」と頭を下げた。怠っていた職員同士の確認作業を徹底、システムの運用方法を一部改め、再発防止に努めるという。