新体育館整備 鹿児島県は動き出しているのに…鹿児島市、隣にサッカースタジアム構想 計画変更前提、市関係者「県は反発」

 2022/11/01 12:25
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=鹿児島市本港新町
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=鹿児島市本港新町
 鹿児島市が、鹿児島港本港区で計画するサッカー等スタジアム構想で、ドルフィンポート跡地(本港新町)に整備する案は県の新総合体育館(スポーツ・コンベンションセンター)の配置変更を前提に図面を作成していることが31日分かった。1日開かれる市議会特別委員会で両施設が並び立つ配置案を公表する。県は既に体育館整備に向けて動き出しており、県側の反発も予想される。

 市が計画する3候補地のうち、ドルフィン跡は下鶴隆央市長の本命とみられる。総事業費は200億円規模になる見通し。関係者によると、スタジアムをドルフィン跡にはめ込む場合、県の体育館計画の変更が必要で、海側のウオーターフロントパーク(芝生広場)を活用することになる。

 県は計画で、桜島の景観確保のため、ドルフィン跡の南側に体育館を配置し、北側はイベント利用や臨時駐車場など多目的スペースとする。基本構想は海側の芝生広場を現状のまま残すことを明記している。複数の市関係者は「県は反発するだろう」「今後、県の協力が得られるか」と懸念する。

 一方、住吉町15番街区(県有地)は埋め立て、浜町バス車庫(国・民有地)は敷地購入に加え、移転などの課題がある。市は課題を整理しスタジアム候補地を絞り込む。市によると、市民の意見反映の方法を検討中で、候補地の決定時期は未定。