「地方校でも花園に行ける」 ラグビー加治木工44年ぶり優勝、鹿児島市外の高校は1986年以来 スタンドも涙

 2022/11/06 08:18
スタンドで応援する同級生らを前に、熱戦を繰り広げる加治木工業高校のフィフティーン=5日午後、鹿児島市の白波スタジアム
スタンドで応援する同級生らを前に、熱戦を繰り広げる加治木工業高校のフィフティーン=5日午後、鹿児島市の白波スタジアム
 5日あった全国高校ラグビー大会鹿児島県予選決勝で、加治木工業が鹿児島工業を破り、44年ぶりの全国切符をつかんだ。鹿児島市以外の高校が聖地「花園」を踏むのは1986(昭和61)年の宮之城(現・薩摩中央)以来。少子化で合同チームが増える中、関係者は「地方にラグビーの灯が残った」と吉報を喜んだ。

 「耐えろー」。後半ロスタイム、スタンドを埋めた加治木工の応援団から声援がとぶ。ピンチを切り抜けノーサイドの笛が鳴った瞬間、飯野啓心主将の母・美佐さん(47)は涙を流して喜んだ。「よく守り切った」

 多くのOBも駆けつけた。46年前、花園に出場した姶良市加治木の新福亨嗣さん(64)は「子供たちに感謝。勝ち負けを気にせず、全国の力を体感してほしい」とエールを送った。

 塩向剛二郎監督(40)の前任で、鹿児島玉龍高校時代に“楕円(だえん)球”の魅力を伝えた細樅(ほそもみ)勇二さん(51)=現奄美高監督=も快挙を喜んだ。細樅さんが加治木工業に赴任した2014年当時、部員は10人ほど。「地方でもやれる。花園に行けるから」と熱心に生徒を勧誘し続けた。恩師から受けたパスを、教え子が見事にトライ。「樅さん、おかげで勝てました」。優勝直後、電話で報告があったという。

 「地方校に希望を見せてくれた。この勝利をわれわれ指導者も大事にしたい」と細樅さん。「多くの苦労があったと思う。本当におめでとう」とねぎらった。