鹿屋上空で米軍無人機MQ9がデモ飛行 海自基地周辺を15分、市長「自衛隊機より騒音低い」知事「ごう音ではない」

 2022/11/06 07:30
米空軍無人偵察機MQ9を見学する地元関係者ら=5日午後、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
米空軍無人偵察機MQ9を見学する地元関係者ら=5日午後、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
 海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)への米空軍無人偵察機MQ9の一時展開計画で、部隊を運用する「第319遠征偵察中隊」は5日、地元関係者にデモ飛行を公開した。1機が約15分間、基地周辺を飛び、住民らが機体の大きさや騒音の程度を確認した。

 11月中とする運用開始を前に「飛行性能や安全性を見てもらう」(部隊)狙い。市が要望し、中西茂市長や塩田康一知事、基地周辺の町内会長ら約40人が、機体整備に使う格納庫前の駐機場から視察した。

 1機は午後3時45分ごろ、滑走路東端から西側に向けて離陸し、霧島ケ丘公園や鹿屋商工会議所付近の上空を反時計回りに2周した。防衛省九州防衛局によると、距離約40キロ、高度約550メートル、時速222キロで飛行した。

 中西市長は「自衛隊機より騒音は低いレベルと感じた。市民の関心は高く、今後も情報提供は積極的にしてもらいたい」と話した。

 塩田知事は「時間帯や場所、人によって感じ方が違うため一概には言えないが、ごう音という感じではないと感じた」と述べ、「日本の文化やマナー、交通法規の研修をしっかりしてもらい、事故や住民とのトラブルがないようにしてほしい」と求めた。

 米軍によると、MQ9のインド太平洋地域への配備は初めて。中国の海洋進出を念頭に、南西地域の警戒監視態勢を強化するのが目的。部隊司令官のアレクサンダー・ケリー中佐は「空軍による監視偵察は米国と同盟国の安全保障に不可欠だ」と語った。

 計画では、8機を1年間配備する。米兵ら約150~200人が駐留し、市内のホテルに宿泊。公務外の行動制限はない。