日米共同演習「キーンソード」 統合幕僚長と在日米軍司令が護衛艦「いずも」で共同会見 中国念頭に抑止力強化を強調

 2022/11/15 07:30
護衛艦「いずも」の格納庫で共同会見する山崎幸二統合幕僚長と在日米軍のリッキーN.ラップ司令官=14日、太平洋上
護衛艦「いずも」の格納庫で共同会見する山崎幸二統合幕僚長と在日米軍のリッキーN.ラップ司令官=14日、太平洋上
 徳之島や奄美大島などで19日まである日米共同統合演習「キーン・ソード」に合わせ、防衛省制服組トップの山崎幸二統合幕僚長と在日米軍のリッキーN.ラップ司令官は14日、太平洋上の護衛艦「いずも」で共同会見をした。山崎氏は「隙のない防衛体制を確立するため、南西地域での演習は大変意義がある」と強調。ラップ氏は「挑発的な勢力を抑止するための訓練をしている」と語った。

 会見で両氏は中国などを念頭に、厳しい安全保障環境の中で演習を行うとの認識を繰り返した。山崎氏は「日米同盟の抑止力と対処力を強化する」。ラップ氏は「日米相互の安全と平和な生活が脅かされるようなことがあれば、私たちは相互防衛の義務を果たす準備ができている」と述べた。

 演習は10~19日の日程で、鹿児島から沖縄にかけての南西諸島を中心に自衛隊約2万6000人、米軍約1万人を動員。離島防衛のほか、弾道ミサイル対処や宇宙・サイバー・電磁波領域での作戦を訓練する。

 鹿児島県内では徳之島で初めて日米訓練があり、水陸両用車や輸送機などを使った水陸両用作戦を実施する。奄美大島では陸自の地対艦誘導ミサイル(SSM)と米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を展開。日米の輸送機オスプレイが南西諸島で初の連携訓練をする。

 キーン・ソードはほぼ2年に1度ある日米最大規模の実動演習で16回目。前回2020年は十島村の臥蛇島などであった。