【川内原発運転延長問題】県専門委分科会の検証報告「一つにまとめる必要なし」

 2022/11/15 09:00
 九州電力川内原発1、2号機(薩摩川内市)の安全性を調べる鹿児島県原子力専門委員会が14日、鹿児島市であった。宮町宏樹座長(鹿児島大学大学院教授)は運転延長に関する分科会の検証について、「一つの意見にまとめる必要はない」とし、複数意見が出た場合はそれぞれ専門委に報告してもらう方針を示した。

 専門委は川内原発の運転延長について、分科会を設け科学的・技術的に検証している。分科会の報告を受けて、県に検証結果を答申する。

 宮町座長は会合後の取材で、専門委としての取りまとめは「次年度の前半になる可能性が高い」と説明。当初は本年度内としていたが、分科会の作業スケジュールを配慮する。専門委は延長の可否判断をしない考えも、改めて示した。

 九電は会合で、過去に川内原発で発生した事故や故障の事例と再発防止策を報告。委員からは「より高度な改善システムを検討してほしい」との意見が出た。

 原子力規制庁は、川内原発で昨年10~12月に実施した検査の結果を説明した。1号機の関連施設で、火災感知器の設置位置が消防法の規定より壁や換気口に近いなど「不適切な管理」が2件あったと報告。いずれも「安全確保への影響は限定的」と評価し、九電は既に是正している。