「向田邦子の家時間」展始まる 衣食住の工夫伝わる愛用の品96点 かごしま近代文学館

 2022/11/16 13:15
作家・向田邦子が愛用した茶器や皿=鹿児島市城山町のかごしま近代文学館
作家・向田邦子が愛用した茶器や皿=鹿児島市城山町のかごしま近代文学館
 鹿児島ゆかりの作家・向田邦子(1929〜81年)が仕事場にもしていたマンション自室での暮らしを紹介する企画展「向田邦子の家時間」が16日、鹿児島市のかごしま近代文学館で始まった。普段着や器、絵画など衣食住の工夫が伝わる品が並ぶ。2023年1月23日まで。

 執筆する時の「勝負服」として定番だった長めのチュニックシャツやスカーフ、万年筆といった愛用の品96点を写真や原稿と共に紹介。普段使いしていた骨董(こっとう)の器や総菜のレシピ、全国の特産品や菓子など「うまいもの」のしおりを集めた整理棚「『う』の引き出し」も展示している。

 同市下荒田1丁目のパート奥脇美和子さん(73)は「着心地よさそうな服に憧れる。何げない日常を大切にしていたのが分かる」。企画した大津あゆみ学芸員(34)は「家での時間や空間に楽しみを探した向田さんのライフスタイルに触れて、参考にしてほしい」と呼び掛けた。