高校進学で島を離れる中学生 〝島立ち〟前に「油井の豊年踊り」集大成 「地域の宝。中途半端な演技できない」 鹿児島・瀬戸内町

 2022/11/17 21:01
油井の豊年踊りを披露する岡野睦和さん(左)=瀬戸内町古仁屋
油井の豊年踊りを披露する岡野睦和さん(左)=瀬戸内町古仁屋
 鹿児島県瀬戸内町で12日にあった「子ども島口・伝統芸能大会」で、油井中学校3年の岡野睦和(ほくと)さん(15)が「油井の豊年踊り」を披露した。継承活動で児童生徒が演じる際に中心を担ってきたが、来春、高校進学で島を離れる予定。島立ち前の舞台で集大成を飾った。

 油井の豊年踊りは、旧暦8月15日の豊年祭に行われる県無形民俗文化財。稲刈りや脱穀といった稲作などにまつわる12の演目で編成される。本番では大人が踊るが、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止に。一方、油井小中学校の児童生徒7人は、11月の学習発表会や同大会での披露を目標に練習に励んできた。

 岡野さんは幼い頃から踊りを見て育った。小学校の中学年で発表会の踊りに初参加し、今ではほとんどの演目を覚えている。コロナ禍直前の19年には豊年祭でも演じた。「油井で受け継いできた大切な宝。中途半端な演技はできない」と語る。

 最後の舞台となった同大会では、面をつけて1人で踊る花形の稲刈りや無言劇ヒギフッシュを他の児童生徒6人と披露。「唄も三味線もいい演技ができた」と満足そうに話した。

 同級生で地元に残る藤田恒誠さん(14)は「いつかまた2人で演じたい」。2人が卒業し、来年は5人になる。岡野さんは、いとこの小学1年岡野鷹之心君に期待し、「練習熱心。どんな演技もできるようになってほしい」と思いを語った。