全国学力テスト 鹿児島県内小中51校で事前対策指示 「前日の授業がテスト対策」「過去問が宿題」 県教組調べ

 2022/11/18 11:00
 2022年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に関し、鹿児島県内の公立小中学校51校で、市町村教育委員会や校長が授業中に過去問を解かせるといった事前対策を求めていたことが17日分かった。鹿児島県教職員組合が、学校単位でアンケート調査した。文部科学省はテストの趣旨を損なうとして、過度な対策をしないよう求めている。

 全国学力テストは小学6年と中学3年の全員が対象。県教組は組合員がいる学校へ毎年アンケート調査しており、本年度は小学校144校、中学校62校の計206校から回答を得た。

 アンケートによると「管理職が職員朝会で過去問を複数回解くよう呼び掛けた」「前日の授業がすべてテスト対策だった」「過去問を宿題にした」などの回答が寄せられた。

 文科省は2016年、学力や学習状況を把握し施策へ役立てる趣旨に照らして、成績向上のみを目的とした事前の集中的な対策をしないよう通知している。

 県教委義務教育課の加藤晴彦課長は「調査の内容を把握しておらずコメントはできない」とした上で、教員が自身の授業改善に生かすため年間を通して計画的に過去問を活用するよう市町村教委に呼び掛けている、と強調。「過度な事前対策は行わないよう毎年周知している」と話した。