(詳報)出水の養鶏場で鳥インフル、12万羽の殺処分完了は19日以降 半径3キロ内22農場の鶏、卵は移動禁止

 2022/11/19 07:30
鳥インフルエンザが確認され、殺処分が進む養鶏場=18日、出水市(県畜産課提供)
鳥インフルエンザが確認され、殺処分が進む養鶏場=18日、出水市(県畜産課提供)
 鹿児島県は18日、出水市の養鶏場で見つかった鳥インフルエンザ疑い例について、遺伝子(PCR)検査で感染を確認したと発表した。農林水産省は致死性が高い高病原性の疑いがあると判定。県は同日午前4時から発生農場の採卵鶏12万羽の殺処分を始め、半径10キロ圏周辺に7カ所の車両消毒ポイントを設置した。

 鹿児島中央家畜保健衛生所による検査で、17日に農場内で死んでいた鶏13羽のうち複数の検体から「H5亜型」ウイルスが検出された。さらに詳しいウイルス型は国の専門機関で解析している。本年度の国内養鶏場などでの鳥インフルエンザ発生は10例目。

 殺処分は県や自治体の職員が交代で作業し、完了は19日以降になるとみられる。感染経路などを調べる農水省の疫学調査チームは18日午後、現地入りした。

 発生農場から半径3キロ内は移動制限区域に設定され、域内の22農場は鶏、卵の移動ができなくなった。対象農場には同日、県が立ち入り調査。目視による確認で異常はなく、過去の感染歴を調べる抗体検査も陰性だった。粘膜などの検体からウイルスの有無を調べている。

 半径3~10キロ内は搬出制限区域となり、85農場は鶏、卵の域外持ち出しが規制される。

 塩田康一知事は18日、野村哲郎農相とオンラインで会談し、「今回の1件で何としても封じ込めたいと考えている。農水省には発生要因の究明や風評被害対策で指導・協力をいただきたい」と述べた。野村農相は「まん延防止には国と県が緊密に連携していくことが大事。必要なことは何でも要望してほしい」と応じた。