未明の養鶏場に防護服姿の職員続々…「歯止めかけなければ」 8時間交代で鶏の殺処分・埋却進む 出水・鳥インフル

 2022/11/19 08:55
鳥インフルエンザが確認され、殺処分が進む養鶏場=18日、出水市(県畜産課提供)
鳥インフルエンザが確認され、殺処分が進む養鶏場=18日、出水市(県畜産課提供)
 鹿児島県出水市高尾野の養鶏場で鳥インフルエンザ感染が確認された18日未明、待機していた防護服姿の県職員らは慌ただしく現地入りした。夜明け前から鶏の殺処分や埋却など防疫措置に着手。「この1件で歯止めをかけなければ」。懸命の作業は、日付をまたいで19日に入っても続いた。幹線道路沿いでは、県や自治体の職員が24時間体制で畜産関係車両の消毒に当たった。

 養鶏場に第1陣が到着したのは18日午前4時ごろ。8時間交代で4時間おきに70人ずつ投入、140人が同時に作業する態勢で臨んだ。殺処分後の鶏は袋に入れられ、敷地内に掘られた穴に次々と埋められた。

 正午すぎに拠点の高尾野体育館に戻ってきた第1陣は一様に疲れた表情を見せた。発生農場で飼われていたのは約12万羽。ケージから1羽ずつ取り出した男性職員(47)は「鶏舎の広さと鶏の数の多さに驚いた。殺処分は残酷だが仕方ないと思い作業した」。

 県内養鶏場での感染確認は3季連続。殺処分を担当するのは4回目だった20代男性職員は「産地を守る必要な作業だが、何度経験しても慣れない。農家のために感染が広がらないことを願って取り組んだ」と語った。

 畜産車両の消毒ポイントは市内外7カ所に設置。下大川内の国道447号では、県職員らが道路脇で念入りに消毒液を散布した。昨年11月も応援で来たというさつま町職員の50代男性は「全国的な感染拡大に気をもんでいた。この1件で済めば」と願った。

 市は18日、幹部や関係団体を集めて対策本部会議を開き、防疫対策の徹底を改めて確認。ツル越冬地に通じる道路で市独自の車両消毒ポイントを3カ所から6カ所に増やした。椎木伸一市長は「2例目を出さないよう全力で取り組む」と強調した。