(詳報)米軍無人偵察機MQ9展開「終了は2023年11月20日」 防衛省側が鹿屋市へ 今月21日から運用開始

 2022/11/19 10:00
無人機の運用開始を中西茂鹿屋市長(左)に説明する九州防衛局の遠藤敦志企画部長=18日、鹿屋市役所
無人機の運用開始を中西茂鹿屋市長(左)に説明する九州防衛局の遠藤敦志企画部長=18日、鹿屋市役所
 海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)への米空軍無人機MQ9一時展開計画を巡り、防衛省九州防衛局は18日、運用は21日から始まると同市や県に通知した。8機を1年間配備し、米兵ら約150~200人が駐留する。市は安全の徹底と1年の運用期間を守るよう求めた。

 自衛隊基地への米無人機配備は初。海洋進出を強める中国を念頭に、南西方面の警戒監視を強化する。

 同局の遠藤敦志企画部長が18日、市役所を訪れ、運用開始の通知文書を手渡した。中西茂市長は「事件事故のないよう安全対策を引き続き徹底してほしい」と述べ、丁寧な情報提供などを改めて要請した。

 遠藤部長は「展開終了は2023年11月20日と認識している」と言及。フライトの時間帯など具体的な内容は「米軍の運用上答えられない」とした。

 運用開始が当初予定の22年7月から約4カ月遅れた点については「初めての取り組みで、天候や不具合など遅れる要因が重なった」と説明した。

 配備されたMQ9は全長約11メートル、主翼幅約20メートル。上空1万5000メートルの「高高度」から高精度で撮影し、悪天候でもセンサーで目標物を確認できる。時速333キロで32時間の飛行が可能とされる。

 一時展開計画を巡っては、1月に同局側が市に伝達。住民説明会や市議会の容認決議を経て、中西市長と塩田康一知事が7月、容認を表明した。米空軍は10月上旬から基地に本体機材を搬入した。