「田の神さぁ、おいしい新米できました」 像を担いで豊穣感謝 さつま・下狩宿

 2022/11/20 08:18
下狩宿の住民に担がれ田んぼを見回る「田の神」=18日、さつま町求名
下狩宿の住民に担がれ田んぼを見回る「田の神」=18日、さつま町求名
 米の産地として知られる鹿児島県さつま町求名の下狩宿集落で18日、収穫に感謝する田の神講があった。代表者4人が稲刈りを終えた田んぼを回り、重さ約70キロの田の神像を棒につるし担いで歩いた。その後、住民の半数約30人が公民館に集まり、像を囲みながら新米で作った餅汁を味わった。

 田の神講は県内各地に伝わる風習。下狩宿では、以前は持ち回りで預かる家まで像を運んでいた。過疎高齢化で預かる人の負担が大きくなり、15年ほど前から公民館で保管。代表者が軽トラックの荷台に載せて集落内を回り、所々で担ぐようになった。

 住民32世帯の多くは今も米を育てる。下狩宿公民会長の下境田徳造さん(57)は「台風14号の影響で収穫量は減ったが、品質は良かった。みんなで伝統を守りながら、おいしい米を作っていきたい」と話した。