衆院鹿児島2区に保守分裂の火種 現職三反園氏は自民入り希望、親しい県議も 国替えの保岡氏、自民支部長を射程に

 2022/11/20 11:34
三反園訓氏(右)と保岡宏武氏
三反園訓氏(右)と保岡宏武氏
 自民元職の金子万寿夫氏(75)の引退を受け、衆院鹿児島2区で保守層を狙う動きが急加速している。2区選出で無所属現職の三反園訓氏(64)が前知事の知名度を生かし、比例九州選出で自民現職の保岡宏武氏(49)は金子氏の後任となる党2区支部長を射程に入れる。双方、つじ立ちや集会に余念がない。

 12日午後、鹿児島市東谷山の希望ケ丘団地入り口交差点。午前に南九州市頴娃で清掃活動に参加したばかりの三反園氏は車に手を振り、頭を下げていた。

 世代や性別を問わず車中から手を振り返す人は少なくなく、「頑張って」と声をかける姿も。三反園氏は「反応があるから頑張れる。いろんな現場を訪れて話を聞き、政策に反映させる」。そう語り、行事に顔を出すため指宿市へ急いだ。

 県議から「知事時代と同じで地域回りは熱心だ」と評される三反園氏。3月、自民内の二階派の特別会員になって保守色も強める。ただ、希望する自民入りは「今の任期中は無理がある」(森山裕党選対委員長)。三反園氏は「お願いする立場」と慎重に徹する。

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 「自民現職を破った6人のうち1人だけ入党させなかった」。13日、鹿児島市であった保岡氏の集会で遠藤利明・党総務会長は三反園氏に言及した。保岡氏をいずれ2区から立てる計画を岸田文雄首相と衆院選当時から話していたとし、「(三反園氏の入党は)混乱の元になる」という首相の考えを披露した。

 この場で、保岡氏は元法相の父興治氏が地盤にした1区からの国替えに理解を求めた。「選挙区から勝ち上がりたい。2区支部長を目指す」と力を込めた。

 支部長は手続き上、県連の推薦を受けて党本部が選任する。県連会長の森山氏は来春の県議選までに決める意向。関係者は「他に意欲を示す人は聞かない」と保岡氏の就任を予想する。

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 支部長は次期衆院選での公認候補となる。だが、保岡氏が就けたとしても「選挙で勝てるかは別問題」との見立ては根強い。奄美を含む広い選挙区の上、三反園氏が金子氏を破った前回は保守分裂だった。

 2区内の自民県議11人のうち9人が11月上旬、鹿児島市で意見交換した。事前説明なく保岡氏が国替え表明したことに不満やかばう声が出たという。出席者の一人は「三反園氏と親しい人もいる。保岡氏に対する温度差があった」と明かす。

 三反園氏は23日、南九州市で数百人規模の国政報告会を開き、保岡氏は月内に拠点を鹿児島市南部に移す。複数の自民県議からは「県議選前の争いは勘弁してほしい」との本音も漏れるが、保守分裂の火種はすぐ燃え広がる状態にある。