ドラフト5位でタカ入団 松本晴投手(亜大、樟南高卒) 大学時代の故障克服「球速も制球力も上がった。鴨池にプロとして戻ってくる」

 2022/11/20 14:24
母校を訪れ、プロ入り後の抱負などを話す松本晴投手=鹿児島市の樟南高
母校を訪れ、プロ入り後の抱負などを話す松本晴投手=鹿児島市の樟南高
 今秋のプロ野球ドラフト会議でソフトバンクに5位指名を受けた亜細亜大の松本晴投手(21)=大阪市出身、樟南高卒=は19日、契約金4500万円、年俸800万円(金額は推定)で入団が決まった。18日、鹿児島市の母校を訪れた松本晴投手に、左肘の手術を乗り越えてつかんだプロへの意気込みや、同じサウスポーで同僚となる大島高・大野稼頭央投手(18)の印象などを聞いた。

 -改めて指名を受けた感想は。

 「大学時代は故障が多く、リーグ戦は4年間で4勝6敗と目立った成績を残せなかった。それでも評価してもらえてうれしかった」

 -高校と大学で変わったところは。

 「高校時代の球種は直球とスライダーだけで内角攻めに頼る配球。大学に入ってカーブやツーシームを覚えた。外角の直球で仕留められるようになり、投球の幅が広がった」

 -大学2、3年は公式戦登板がなかった。

 「足首の故障や左肘靱帯(じんたい)損傷とけがに泣いた。昨年4月にトミー・ジョン手術を受け、7月からリハビリを始めた。発泡スチロールの球で始めて、8月に硬球を握り、5メートル先のネットに黙々と投げた」

 -不安はなかったか。

 「今年1月には立ち投げを始め、まもなく捕手を座らせた。医者から順調な経過だと聞いており不安はなかった。今春、公式戦に復帰。秋リーグ戦まではスライダーを控えていたが、今は球数制限もなくなり、100球を2日連続投げられるまで回復した」

 「手術前の直球は130キロ台後半だったが、今は常時140キロ台前半が出るようになった。リハビリ期間中、肘に負担のかからないフォームに改造し、球速も制球力も上がった」

 -大島高の大野投手と同僚になる。

 「今夏、樟南高での教育実習中に県大会がありライブ配信で投球を見た。同じフォームから直球と変化球を投げられ、腕をしっかり振っている印象を受けた。ドラフト後の球団によるメディカルチェックで一緒になり、自分から『大島の大野君だよね?』と声をかけた。まっすぐな性格で、はつらつとした選手だと思った」

 -どんな投手になりたい。

 「1シーズン通して、チームに貢献できる投手が目標だ。最速は145キロと速い方ではない。持ち味のスピン量の多い直球と、高校時代からの得意球であるスライダーを軸に、先発でも抑えでもチームの役に立てる投手になりたい。いつか、鴨池にプロ投手として戻ってきたい」

 ■まつもと・はる 2001年2月24日、大阪市出身。181センチ、84キロ。左投げ左打ち。樟南高2年夏からエースとなり、兄・連さんとバッテリー。2年秋から主将を務め、夏県大会は準々決勝で敗れたが、3回戦で20奪三振を記録した。亜大では1年春から登板。左肘手術を経て4年春に復活し、20年ぶりの全日本大学選手権優勝に貢献した。西武の浜屋将太投手(大崎町出身)は樟南高の2学年先輩。

 あわせて読みたい記事