現職、前知事、元国会議員、スーパークレイジー君…宮崎県知事選の候補者出そろう SNSでアピール熾烈、投票率アップが勝敗を左右

 2022/11/20 21:12
宮崎県知事選立候補予定者の河野俊嗣氏(左上)、東国原英夫氏(右上)、横峯良郎氏(左下)、西本誠氏
宮崎県知事選立候補予定者の河野俊嗣氏(左上)、東国原英夫氏(右上)、横峯良郎氏(左下)、西本誠氏
 12月8日に告示される宮崎県知事選の立候補予定者の顔触れが出そろった。当初、現職河野俊嗣氏(58)と前知事の東国原英夫氏(65)との“師弟対決”の様相だったが、元参院議員の横峯良郎氏(62)=鹿児島県鹿屋市出身=と、「スーパークレイジー君」の通称で活動する西本誠氏(36)の新人2人が立候補を表明、4氏による選挙選の見込みとなった。官僚出身の現職と知名度の高い3人の戦いは、前回3割に低迷した投票率が勝敗の鍵を握りそうだ。

 いち早く立候補を表明した河野氏は、自民党県連や立憲民主党県連などの政党のほか、連合宮崎や経済団体などから推薦を取り付け、組織戦に盤石の態勢を築いた。東国原氏は衆院議員を経てテレビのコメンテーターなどに主軸を移しており、12年ぶりの県政復帰を目指す。横峯氏は女子プロゴルファーの横峯さくら選手の父として知名度は高く、政界進出前から「さくらパパ」としてメディアをにぎわした。歌手としても活動する西本氏は、東京都知事選に挑戦、注目を集めた。居住実態が無かったとして埼玉県戸田市議を失職した経験から、今年4月に東京から宮崎市に住民票を移し、準備を進めてきた。

 4氏がそろって注力するのが交流サイト(SNS)の活用だ。河野氏は10月、LINE(ライン)とインスタグラム、動画投稿サイトのユーチューブを新設。政策とともに、笑顔で私生活を紹介する動画などを配信し、官僚出身の「堅い」イメージの払拭(ふっしょく)と「親しみやすさ」をアピールする。東国原氏は県内の高校巡りや台風被災地視察、街頭活動の様子などをこまめにSNSで発信。県内出身を強調しつつ、若い世代への浸透も図る。横峯氏は「ポスター張りや街宣活動はしない」と明言。選挙戦はSNSで最低賃金アップを訴えていく方針だ。西本氏はポスターにラインのQRコードを掲載し、SNSを主な交流手段にする若い世代に照準を絞る。

 4氏が課題と口をそろえるのが「投票率の向上」だ。現職と共産党候補が争った前回は33.90%と過去最低を記録。5人が争い東国原氏が当選した2007年の64.85%と比べると、じり貧感は拭えない。新人側からは「有権者90万人のうち30万人しか投票しない選挙で知事が決まるのはおかしい」と指摘。現職、前知事以外の新たな選択肢を示すことで、風が吹くことを期待している。

 投開票は12月25日。投票率アップに不可欠な無党派層の動向が、“クリスマスプレゼント”の行方を左右する。