【馬毛島基地計画】容認へ傾く西之表市長…反対派に失望広がる 賛成派も「住民説明会はガス抜き」
2022/11/21 09:05

説明会で質問をするために挙手する市民=20日、西之表市の市民会館
焦点の一つは、9月議会に提案した馬毛島小中学校跡地などの市有地売却と、馬毛島3市道廃止の方針に対する釈明だった。八板市長は「計画への賛否判断と切り離した行政手続き」とし、「申請者(防衛省)に瑕疵(かし)がなく、売買条件が妥当であれば止める法的根拠はない」と述べた。
説明会で市側は、政府が馬毛島買収を発表した2019年12月以降の動きや、防衛省の環境影響評価(アセスメント)準備書に記載された航空機騒音予測、再編交付金の概要を解説。その後、約1時間半~2時間にわたり質疑があった。
反対派が立つ場面が多く、昨年の市長選で計画反対を掲げた八板市長の政治姿勢をただした。八板市長の回答は「公約は常に頭にある」「市民の安心安全の確保が第一」と従来通り。辞任要求は「市民の期待に応えるべく職責を果たす」と突っぱねた。
「結局は国に従うしかなく、誰が市長でもこういう状況になっただろう。不満のガス抜きのようだ」と計画に賛成する建設業男性(63)。反対派の自営業男性(50)は「内容に新味はない。説明会をやった、という事実をつくりたいのか」と失望感をにじませた。
八板市長に対して、反対派の一部がリコール(解職請求)手続きを進めている。これまで反対運動を主導してきた市民団体も「本音が全く聞けなかった」とし、辞任を求める文書を提出する構えだ。こうした動きについて、八板市長は報道陣に「いろいろな考え方がある。それぞれの動きを注視したい」と語った。
会の終盤、八板市長や大平和男副市長の同級生という農業男性(68)の悲痛な叫びが響いた。「大事なのはおまえの正義や。反対するなら一生懸命しないとだめやっど。涙を流すぐらい頑張ってくれよ。賛成派にも反対派にもよか格好して八方美人、俺に言わせれば八方ふさがりやろうが」
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