総務相更迭、1カ月弱で3閣僚辞任 野党「国民の怒り蓄積」 与党「国会審議の影響考慮」

 2022/11/21 11:17
国会
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 「政治とカネ」問題を巡り寺田稔総務相の更迭が決まった20日、鹿児島県関係の国会議員からは「国会審議への影響を考慮した」「国民からあきれられている」との声が上がった。

 立憲民主党の野間健氏(衆院鹿児島3区)は、わずか1カ月弱での3閣僚辞任を問題視。「取締役が3人も辞めれば民間なら倒産だ」という地元経営者の言葉を借り「物価高に苦しむ国民の怒りは蓄積している。岸田文雄総理の任命責任も問われる」とみる。

 自民党県連会長の森山裕党選対委員長(衆院鹿児島4区)は「国民生活に直結する補正予算案と、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済法案成立のため岸田総理と寺田総務相が決断された」と説明。弱まる求心力を懸念し、「地道な政権運営で信頼を取り戻していく」と語った。

 小里泰弘氏(衆院比例九州)は、かつて同じ派閥で寺田氏と活動をともにした。「まじめで温厚な人柄」と評価しつつ、出水市で発生した鳥インフルエンザ対策や物価高など課題山積の中、「国会の停滞を招かないようにと熟慮したのだろう」とおもんぱかった。

 立民県連所属の村田享子参院議員(全国比例、鹿児島市出身)は、参院広島選挙区を舞台にした自民議員の大規模買収事件に触れ、広島県連会長として模範となるべき寺田氏を「選挙と政治資金の所管大臣として極めて不適格」と批判。「政治への信頼は失墜しつつあり、与野党ともに襟を正していかなくては」と危機感をにじませた。