鴨池公園用地 50年以上前から鹿児島市が県に無償貸与 「手続きが不適切」05年度に外部監査指摘後も対応せず

 2022/11/23 11:02
鹿児島市有地を無償で借りて立つ県の白波スタジアム=同市与次郎2丁目
鹿児島市有地を無償で借りて立つ県の白波スタジアム=同市与次郎2丁目
 鹿児島市が鴨池運動公園(与次郎2丁目)の市有地を県に無償貸与している件を巡り、市は2005年度外部監査で「手続きが不適切」と指摘された後も改善案に沿った対応をしていないことが22日分かった。市は1968(昭和43)年に県と結んだ「覚書」に基づくと説明するが、外部監査人の「契約期間を定めない覚書のみでは永久に無償貸与になる」との懸念が実際に続いている状態だ。

 鴨池運動公園は1972(昭和47)年の太陽国体を前に整備された。市は県に約19万平方メートルの土地購入を求めたものの財政難などを理由に拒まれ、68年に当時の知事と市長が無償貸与の覚書を結んだ。期間は定めておらず、無償貸与が50年以上続いている。

 05年度外部監査は当時37年間にわたる無償貸与について、市財産規則に照らし(1)借り受け申込書が存在しない(2)貸与期間は最長30年で、更新は可能だが手続きが行われていない-と問題点を指摘。「国の三位一体改革で財政が厳しくなることが予想され、永久に無償貸与という現状は適切ではない」と改善を強く要請し、売却の可能性を含めた熟考を求めている。

 この報告について市は07年3月、「国体以降も市民、県民が利用しており、現時点では何らかの対応を行うことは考えていない。使用目的が終了する際は必要な対応をする」との措置状況を市監査委員に提出。その後も県から借り受け申込書は提出されておらず、更新手続きもしていない。

 市管理課は「今後も当時の方針に基づいて対応する」とし、少なくとも直近5年間は県とこの問題で協議したことはないという。

 県教育委員会保健体育課は「市の監査に関する書類は残っていない。鴨池は県民のスポーツ振興のための施設で市民が幅広く利用している。今後も今まで通り対応する」と説明した。

 市は鹿児島港本港区で検討するサッカー等スタジアムについて、県有地の無償利用を前提に県と交渉する考えを示している。関係者から「鴨池運動公園の無償貸与問題を絡めて協議するのでは」との指摘が出ている。

■外部監査

 監査機能の専門性、独立性の強化を図り市民の信頼を高めるため、公認会計士や弁護士など専門的知識を持つ第三者が行政機能をチェックする制度。鹿児島市は1999年度に導入した。監査事務局によると、地方自治法は指摘の順守までは求めていないが、所管課はその内容に対応するのが望ましいとされる。