関心高まる食料安保「世界中で争奪戦起きている」「農業の海外依存脱却が必要」 就任3カ月の野村農相「肥料、えさの国内循環目指す」
2022/11/24 11:05

農相就任3カ月を迎えてインタビューに応じる野村哲郎参院議員=農林水産省
-3カ月を振り返ると。
「食料安保に尽きる。先日80億人を超えた世界人口はいずれ100億人に達するだろう。お金を出せば食料を買える時代は去り、世界中で争奪戦が起きている。海外依存度の高い日本農業は構造転換が必要で、今まさにターニングポイント(岐路)を迎えている」
-農政の憲法とされる「食料・農業・農村基本法」改正議論が省内外で進む。
「制定から20年以上、時代に合わせた見直しが必要だ。特に食品や農業資機材の輸入依存といった食料リスクの視点が不足している。新しいことに二の足を踏みがちな役所をどう本気にさせるか、腐心している」
-2022年度補正予算案が提出された。JA出身で農政一筋50年の野村カラーは反映できたか。
「畜産のふんから作るペレット堆肥の施設整備支援など肥料国産化の推進に重点配分したほか、稲わらの広域流通化にも手当てした。鹿児島、宮崎産のペレット堆肥を東北・北陸に送り、その帰り便で、稲作地帯の豊富な稲わらを南九州に持ち帰る仕掛けだ。肥料とえさの国内循環を目指す」
「高騰が続く小麦の対策も重要だ。代用品の米粉の増産を目指すが、現在の製粉事業者に成分が違う米の利用をすぐ求めるのは難しい。専門業者育成や、小麦業者が新たに米粉用施設を整備できるよう支援する」
-出水市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生した。
「これまでの経験から抑え込みは可能と考えている。一方で同時警戒すべきは全国で感染が相次ぐ豚熱(CSF)だ。九州では未確認だが、全頭殺処分となれば有数の養豚産地である鹿児島経済への影響は計り知れない」
「国としては国産ワクチンの充実のほか、不足が指摘される接種従事者の確保を急ぐ。獣医師に加え、研修・認定を受けた人が接種できる制度を検討中だ。ただいずれにしても鳥インフルと同様、まずは農家の衛生管理の徹底が最重要だ」
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