「オカサンの顔はいつまでも瞼の裏に」…第64振武隊の特攻隊員 家族愛の書簡 南さつまで企画展、来月15日まで

 2022/11/23 21:00
特攻隊員が家族へ宛てた書簡などを紹介する特別展=南さつま市加世田高橋
特攻隊員が家族へ宛てた書簡などを紹介する特別展=南さつま市加世田高橋
 鹿児島県南さつま市の万世特攻平和祈念館で企画展「第64振武隊 特攻隊員の家族への愛」が開かれている。出撃前に家族へ宛てた同館初公開の書簡などを展示。最愛の人たちと決別する隊員の悲しみを伝え、戦争の不条理を訴える。12月15日まで。

 第64振武隊は先の大戦末期の1945年6月11日、旧万世飛行場を飛び立ち、9機が散華した。同館に唯一遺品がなかった巽精造大尉=享年24歳=の書簡などを航空自衛隊奈良基地が保管していることが分かり、11点を初めて借り受けた。

 書簡では「只々(ただただ)一生懸命自分の任務完遂に努力致して参ります」と死地へ旅立つ覚悟を示す。続いて「オカサンの顔はいつまでも瞼(まぶた)の裏に描かれて居ます~オカアーチャン サヨウーナラ」と絶叫調の言葉が無念の感情をにじませている。

 将来を約束した女性もいた。「死んで行く自分にこれほど迄(まで)に尽くしてくれたのを思ふと思わず泣けて来ます」と思いやり、「後に残った~文子を~どうか良く見てやって下さいませ」と両親へ後を託している。

 同隊が編成された福島県原町の個人から寄贈された隊員の寄せ書き、同館所蔵の血書なども公開。担当の小屋敷茂さん(74)は「決意の陰に大切な人たちと離れ離れになるつらさがのぞく。みんなを不幸にした時代に思いをはせ、平和を感じる機会にしてほしい」と話した。